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建学の精神は報徳思想 １１１年目の誓い 学校法人 新名学園旭丘高等学校
小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開：2013年1月1日
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取材に応える水野理事長
昨年学園創立１１０周年を迎え、10月には記念式典を挙行した新名学園旭丘高等学校（水野浩理事長・学校長）。次の10年に向けて新たな決意を抱く水野理事長に話を聞いた。
―学園草創期以来学校づくりの柱に尊徳精神（至誠・勤労・分度・推譲）を掲げたのはなぜですか。
本学園の創立者新名（にいな）百刀（もと）先生が小田原のまちに「裁縫・造花・編物伝習所」を開設したのが明治35（１９０２）年のことです。その４年後の明治39（１９０６）年には神奈川県知事より私立学校設置の認可を得て「新名裁縫女学校」となり、近代的学校制度の中で高等女学校への地歩を確かなものとしました。教育の基調は今日でいう「生活と教育の結合」による実学教育に徹し、女子の人格形成を図ること。地域から「嫁にもらうなら新名さんの娘を」とまで評価される私学へと発展を遂げました。
このような学園の草創期は、日本の産業革命が発展の段階にあり、女性が「手に技をつける」という時代の要請とともに、新名百刀女史が学んだ共立女子職業学校のように、女性が裁縫・手芸等の技芸を習得し、職業について精神的・社会的にも自立することができるような教育を求める時代状況がありました。こうした時代の大きな流れのなかで、本学園は地域の教育要求に応えた「地域に役立つ学校」づくりをすすめていく時の教育の理念、ないしはバックボーンを定立させる必然性から、郷土小田原の生んだ農政家二宮尊徳の実学的な「報徳思想」を校訓として据えたものと考えられます。
―現在「報徳思想」を建学の精神にどのように位置づけているのですか。また、学園がこれから目指す方向を教えてください。
昨年創立１１０周年を迎えた当学園は、この建学の精神の今日的意味を踏まえ、21世紀「グローバルな人間の世紀」における尊徳精神の、分をわきまえ、剰余を生み、社会公共のために拡大再生産を行うとした「推譲」の教えにならって、学園の「次の10年＝創立１２０周年」を展望した「新総合計画」を構想し、新たな教育像として「人が人となる教育」の構築をなし、学校像としては「参加と協働」による「地域立・市民立」の私学の創造を図っていく所存です。
当面、２０１３年においては隣国中国の西安外国語大学との日中友好、教育・学術・文化交流の「協定書」にもとづき同大学からの講師の派遣を受け、新春１月の第51回「旭丘高校全学教育研究集会」への参加、続いて２月には中国文化をテーマとする特別交流講座を開く予定です。１９７２年の日中国交正常化交渉のとき、故周恩来首相が述べた「水を飲むときに、井戸を掘ってくれた人々のことを忘れてはならない」という言葉を念頭に、微力ながら日中友好、教育・学術・文化交流の架け橋になっていければと願っています。
記念式典では生徒が想いを語った
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創立者・新名百刀女史
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