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新名学園旭丘高等学校 足元からのグローバル教育 〜こゆるぎ西湘の地から日中高校生交流〜

公開:2015年1月1日

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 今年創立113年を迎える新名学園旭丘高等学校。学園のこれからについて水野浩理事長に聞いた。

 ―新名学園の「新総合計画」の大きな柱として位置づけられている旭丘高校の国際連携教育と構想についてご説明下さい。

 本校の国際連携教育は、中国陝西省・西安外国語大学附属西安外国語学校との生徒間交流を中心に取り組まれています。昨年3月21日から25日までの本校生第1次訪中の歓迎会で、「今、私は日本人にとっての母なる大地、弘法大師空海が学んだ西安(長安)の地に『里がえり』をしています」と挨拶しました。

 中国文明は、世界の四大古代文明のなかで、他の文明と異なり、現在に至るまで四千年の間ほぼ同じ地域で一つのまとまりを持った多様性を有する文化圏として発展し続けて来ました。それは漢字の伝来などに象徴される日本文化の源流でもあります。日本と中国は一八九四年の日清戦争から一九七二年の日中国交回復までの78年間以外は「一衣帯水」の親しい間柄でした。

 第1次訪中では、中国の高校生と滞在中のアメリカの高校生に相撲の演武と外郎売りの口上を題材とした日本語の授業を行いました。さらに、今年3月春休みには第2次訪中・生徒間交流として剣道と書道の授業交流を行います。そして、4月初旬には姉妹校の西安外国語学校の高校生らが来日・来校し、本校入学式などの学校行事や西湘地域の生活・文化についての体験学習を行う予定です。

 こうした交流を通して、現代(いま)を生きる日中の高校生たちが、両国の関係について近視眼的ではない長い歴史のスパンの中で歴史を科学の眼で捉え、自国の文化や生活、社会のあり方を見つめるとともに、未来へ向けた共同を創り出すことを願っています。

中国との教育・文化・スポーツ・地域交流の”いま”

 中国との教育・文化交流を進めるにあたって、私はいつも周恩来総理が一九七二年の日中国交正常化交渉のときに述べた「水を飲むときは古い井戸を掘った人々のことを決して忘れてはならない」という言葉を念頭に置き、活動の指針としております。

 昨年11月下旬には、新名学園私学教育研究所三輪定宣所長とともに陝西省西安外国語大学と河南省安陽に赴き、西湘日中友好協会から託された小田原市長から安陽市長に宛てたメッセージを届けました。

 安陽では、殷墟・甲骨文字の発掘地を視察し、夏王朝の事跡にも触れました。酒匂川の治水神・夏王朝の禹王の顕彰碑(文命東堤碑・西堤碑)を介して日中の地域史の交流も、今、中国で注目されている郷土の農政家二宮尊徳の「報徳学」の研究も今後大切にしたい課題です。

 今回同行した三輪定宣所長は、西安外国語日本文化経済学院で「日本の教育制度と大学・大学生-日中比較の観点から-」と題して教育講義を行いました。この講義は、「科挙」の伝統のもとで受験競争に適応するための「応試教育」から人間の発達の可能性を引き出す「素質教育」への転換が希求されている中国の現代教育政策の展開と関わったもので、日本の教育学者から中国の教育関係者へ力強いエールを贈ったものでした。学術交流の水路が開かれたものと考えます。

「足元からのグローバル教育」における”子どもたちの姿とビジョン”

 今回の訪中交流での生徒たちの感想文を読んでみると、これまで否定的だった中国観・中国人観を転換させ、異文化の価値を肌身で受容的に感じとっていることが読み取れます。一人の生徒の言葉を借りれば、「国や言葉は違えども、今回の交流で心を通わせることができました。これから次世代を担っていく高校生として、一緒にアジア・世界の社会や歴史の問題を考えていきたい」と述べ、共にグローバル化時代の未来をつくる立場へと自らの視点を高めています。人と人との日中友好が、文化・スポーツ交流前とくらべて大きな変化と発展をみせています。

 今後、こうした「足元からのグローバル教育」をさらに進めるため、【1】日・中・韓など漢字文化圏と太平洋文化圏(米・加・露)へと交流のフィールドと学びの視野を広げ、【2】本校カリキュラムの中に選択科目として既設の中国語関連講座の充実を図るとともに、さらにハングルや英米系言語教育の充実も指向し、【3】異文化理解と国際連帯のもと「足元からのグローバル教育」を着実に発展させていきたいと考えています。

「小異を残して大同につく」

 思うに、こうした新しい取り組みを進めるうえで大切にしたい視点があります。「大同小異」という言葉があります。日本では「小異を捨てて大同につく」ですが、中国では「小異を残して大同につく」です。小異を残しておけば、さまざまな討議や批判によって、新しい統一や創造的なものができ、「大同」つまり21世紀「子どもの時代」・「女性の世紀」につながる「大きな共生と連帯」という人類史の普遍的な価値に向けた前進が可能となると思います。

 隣国・中国との学術・教育・文化・スポーツ等の友好的な交流を通して、現代(いま)を生きる高校生たち・青年に、是非こうした地球市民として必要なものの見方・考え方を身につけていってほしいとの願いを深めます。
 

3カ国交えての相撲の授業
3カ国交えての相撲の授業

新名学園 旭丘高等学校

神奈川県小田原市城内1番13号

TEL:0465-24-2227

http://www.niina-gakuen.jp/

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