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昭和60年 幸せにするケーキ 西湘菓子工房 樫の樹
小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開：2019年5月1日
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樫の樹の始まりは、初代草間次郎シェフが幼少の頃胸に刻んだある言葉に遡る。卒業祝いに小学校から配られたケーキを、祖父に食べさせてあげた時の事だ。「美味しいものは人を幸せにする。こういう仕事は一生残る」。これが自分の道―。祖父の言葉を胸に故郷を出て、藤沢のレストランで修行を重ねた。
念願の独立を叶えたのは昭和60年。夫婦で始めた小さな店は「値段もいいけど、味がいいね」。そんな冗談をくれる常連客に囲まれた。当時辺りに洋菓子店はなく「まるで待っていてくれたようでね」。その後”食で幸せを”という同じ想いを持つスタッフに恵まれ、二代目幸さんも修行を終え、店に入った。
「材料は最高級を使う。ごまかしたり余計な事はしない」が初代の信条。ケーキの味を決めるクリームは、創業から変わらぬレシピだ。ぶれない幹に二代目達の「もっと美味しいものを」との情熱が加わったケーキたちが、今の樫の樹に並んでいる。
次郎さんの故郷で防風林として植えられていた樫は、１年中葉が茂り、どっしり根付き、年を重ねる毎にいい味を出す木。その姿は、お店の軌跡そのものだ。「人を幸せにするケーキ」ただ一点を見つめ、これからも成長し、この地に根付いていく事だろう。■樫の樹【電話】０４６５・３６・８８３８／曽比２２０９の１
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