毛布や食料など支援物資を満載したトラックで福島県に入ったのは、地震発生から11日後。「猪苗代湖に真っ白な白鳥が浮かんでいてね。なんともいえない寂しさを感じたよ」
個人で、また小田原ライオンズクラブなど所属する団体の支援活動として、継続して東北を訪れている松下民雄さん(77・小田原市成田・松下運送(有)会長)は、当時をそう振り返る。3月とはいえ現地の気温は氷点下。避難所になっている学校の体育館に行くと、中に入れない高齢の男性が震えていた。思わず自分の防寒着を脱いで手渡したという。
仮設住宅で暮らし始めた人から「カレンダーが欲しいが手に入らない」と聞けば、印刷会社の協力を得てカレンダー1千部を届けた。以降も食品用ラップ、梅干し、義援金など、顔の見える関係だからこその”いま必要”な支援を続けている。
初めの頃、生活もままならない中で「まず新しい墓石が建てられていた」光景が心に残る。先祖や亡くなった人を思う心に胸打たれた。児童・教職員84人が津波の犠牲になった石巻市立大川小学校跡地では、慰霊碑の前でお年寄りが泣いていた。発災から数年たっていたが「孫が流され、諦めきれないと…。初めて男として涙を流した」。供えられていた花の色、線香のにおいが忘れられないという。
病気で2年前から人工透析を受けている松下さん。週3回の通院の合間を縫って、昨年11月、コロナ禍もあり2年ぶりに福島を訪れた。家が建ち道路も整備され「すっかり街並みが変わって驚いた」と目を丸くする。立ち寄った食堂の雰囲気も明るく、地元の人からは「10年もたつと人もまちも変わりますよ」という言葉が返ってきた。
今では福島を「第二の故郷」という松下さん。訪問の目的を、支援でもあり仲間に会いに行くためでもあると微笑む。「原発事故の解決はまだまだ先。震災を風化させてはいけない。応援しているという心を届け続けたい」。今年も秋に、東北へと車を走らせる予定だ。
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