連載 小規模校の再編(中) 大池小 思い出の校舎で新スタート「四季の森小」開校へ
市立大池小学校(深山喜美子校長)は、再編統合するひかりが丘小の親校として、1971年に開校。今年で創立40年を迎える。現在同校に通う児童は289人。上白根連合をはじめ、隣接する旭北地区からも児童が通う学校だ。そのため、両地区とつながりを持っている。
地域の夏まつりなどイベントへの参加をはじめ、住民からは昔の遊びを教えてもらったり、畑を借りてさつまいもを栽培するなど、さまざまな形で交流してきた。深山校長は「困ったときは大勢の方が力を貸してくださり、相談に乗ってくれた。本当に心強い存在」と話す。
地域住民は同校の児童を「街の子ども」としてとらえ、触れ合いを楽しんでいる。2006年度にスタートした、児童の登下校を支援する「見守り隊」。朝7時半から通学路に立ち、児童たちに声をかけている。自分から積極的にあいさつができなかった児童たちも今では気軽にあいさつし、毎日学校に通っているという。
再編統合の話が上がったとき、地域からは「大池小がなくなるのは寂しい」という声が出た。しかしそれ以上に、「この街から子どもたちの声が聞こえなくなるのはもっと寂しい」という切実な思いがあった。
同校がひかり小と大きく異なるのは、新校でも校舎が使われることだ。見慣れた教室で授業を受け、同じ校庭で遊ぶにも関わらず、名前や校章は変わってしまう。深山校長は「開校式で、とまどいや寂しさを覚える児童がいると思う。そのとき職員たちがしっかりとフォローしなければならない」と指摘する。
また「3月31日、23時59分までここは大池小。でも、1日から四季の森小に変わる。すぐに気持ちを切り替えることは難しいかもしれないが、児童や職員たちが新たなスタートを切ってくれれば」と願う。
両校の児童間はもちろん職員同士も交流を深め、統合の準備を進めてきた。何度も話し合いを重ね、新校のルールや目標も作成した。深山校長は「児童たちが早く仲良くなるための仕掛けづくりができれば。みんなで一緒に新しい学校をつくっていくんだという気持ちを大切にしてほしい」と話す。
4月1日、大池小は四季の森小に生まれ変わる。児童、職員、地域住民―。新校に関わる全ての人々が、大池小があったこと、40年の歴史があることを心に刻みつけ、また新しいページを開いていく。
―続く
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