正月を彩る草花「松竹梅」 文・金子昇(富岡西在住/自然観察指導委員)
おめでたいお正月に登場する植物には何種類あると思いますか。門松やお飾り等に見られるものにマツ・タケ・ウメ・ウラジロ・ユズリハ・ダイダイ・フクジュソウ・マンリョウ・センリョウ・アリドオシ・ナンテン等が挙げられます。また、七草粥(がゆ)に使われるセリ・ナズナ・ゴギョウ(ハハコグサ)・ハコベラ・ホトケノザ(コオニタビラコ)・スズナ(カブ)・スズシロ(ダイコン)もおなじみです。
こうした草花は、いずれも年末年始に始まる民俗行事(民俗信仰)に関連しており、来臨(らいりん)する「歳神(としがみ)」を迎え、一年の無事、家内安全、健康を祈るために供えられてきました。
今回は正月飾りの盆栽でよく目にする「松竹梅」についてお話します。中国では松竹梅を「歳寒(さいかん)三友(さんゆう)」または「歳寒三友清」といい、水墨画としても有名です。
マツとタケは冬でも緑葉が常に変わらず、ウメは最も寒い時期から花を咲かせることから三者は君子の高い節操の比喩として用いられてきました。
この文化が室町時代に日本へ導入され、めでたいもの、縁起の良いものとして、また等級を表すものとして使われました。世の中の約30万種以上にもおよぶ植物の中から、どのようにして選ばれたのでしょうか。マツは裸子(らし)植物、タケは被子(ひし)植物の単子葉植物、そしてウメは被子植物の双子葉植物と、各分野から広く選ばれているのは、理にかなっているといえます。また、次のように歴史的な文化と深いかかわりを持ちます。
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