物語でめぐる金沢 『明るい夜に出かけて』 佐藤多佳子著(新潮社)文・協力/金沢図書館
富山一志(とみやまかずし)はかつて、ラジオ深夜放送の常連投稿者、いわゆる”ハガキ職人”として名を馳せた伝説的存在です。しかし、あるトラブルから精神的ショックを受けて大学を休学しています。
六浦のアパートで独り暮らしを始め、国道16号線沿いにあるコンビニで深夜のバイトをする富山。そんな彼の前に現れた女子高生・佐古田(さこだ)は、現役の腕利きハガキ職人でした。佐古田が投稿する番組「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」は、富山も大ファンで、この番組だけは今も投稿していたのです。ネット配信で歌手活動をしているバイトの先輩・鹿沢(かざわ)、高校からの友人でSNSの猛者・永川(ながかわ)も加わり、富山の毎日が変化していきます。
富山曰く「青くない海の街」金沢八景周辺が舞台の青春小説で、富山が佐古田と二人、侍従川に沿って海に向かう道を歩いたり、平潟湾を横切るシーサイドラインの高架橋を眺めるなど、リアルな金沢の光景が登場します。前述のラジオ番組は実在していたもので、聴取者やゲストを巻き込んだコント形式で人気を博していたそうです。
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