物語でめぐる金沢 『パイルドライバー』 長崎尚志著（ＫＡＤＯＫＡＷＡ）文・協力／金沢図書館
金沢区の架空の町が舞台に
金沢区長芝町で一家惨殺事件が発生した。現場を見た警察官たちは、15年前近隣で起きた未解決事件との類似性に驚愕した。どちらも一家三人が殺され、殺害方法、現場の荒らされ方、犯人の物らしい衣類や血の手形、被害者の遺体にピエロのような醜悪な化粧が施されているのまで同じだった。
殺人鬼が15年ぶりに目を覚ましたのか、あるいは模倣犯なのか。15年前の事件を担当していた久井はすでに退職していたが、アドバイザーとして捜査に参加する。彼は「パイルドライバー（杭打機）」という異名を持つ伝説の刑事だった。
久井とコンビを組む若手刑事・中戸川は、警察の仕事に見切りをつけ退職を考えていたが、久井に引っ張られるように捜査に取り組む。しかし彼らが事件の核心に近づくや、上層部からの唐突な命令により久井は解雇されてしまう。
その時、捜査の最前線に立つ警察官たちの取った行動は…。
殺人事件の舞台という事もあり、実在の町名とは変えてありますが、坂の多い住宅街、行き止まりの壁、丘の上の市営菜園から見下ろす、フェンスで囲まれた人気のない施設など、金沢区の風景が下敷きとなっているようです。
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