物語でめぐるわが街 『金沢八景』 中沢けい著(『街物語』朝日新聞社所収)文・協力/金沢図書館
1998年4月から2000年4月にかけて、朝日新聞土曜夕刊に『街物語』というコラムが連載されていました(当時好評だったようで、図書館にも同コラムに因んだ質問が寄せられた事を覚えています)。それをまとめて出版したのがこの本です。24人の作家によるアンソロジーとなっています。
月ごとに一人の作家が短編を載せていく形式で、中沢けい氏は1998年5月が担当でした。2日から30日にかけて計5回。故郷金沢八景に寄せた文章を書かれています。
近年造成された、とあるマンションの下には私の赤いサンダルが埋まっている、と語る中沢氏は金沢区出身。ご両親のご実家がともに、金沢八景にある釣り舟店でした。
変わっていく故郷を思い、能曲「放下僧」や説教節「小栗判官」、人柱伝説などを差し挟みながら、「金沢八景」の過去と現在が描かれます。
金沢八景駅前にあった、大和絵のような小山が残らずなくなってバス乗り場になっていたり、リンドウがいっぱい咲いていた通称「ライオン山」が女子短大の敷地になっていたり、この地域の変貌を目の当たりにした感慨が伝わります。
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