第2回 虫こぶ(虫癭(ちゅうえい)) 金子さんの草花の不思議発見 葉にできる不思議な瘤(こぶ) 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
前回に述べたように、大昔から虫と葉とは「食う、食われる」の関係が続いていました。しかし中には、葉をそのまま食べるのではなく、写真のような瘤を作る虫もいます。こうした瘤を「虫こぶ」といいます。
虫こぶはハエやハチ等が、草木の新しく柔らかな芽、葉、蕾等に産卵した時、植物の組織を刺激したため、部分的に組織を増やし、膨れてできたものです。孵化した幼虫は、この中で栄養をとり、外敵から身を守りながら大きく成長し、巣立っていきます。虫こぶ自身はある一定の大きさになると、それ以上は大きくなりません。
虫こぶをつくるのは他に、アブラムシ、カイガラムシ、ダニ、線虫等いろいろですが、バクテリア、菌類、ウイルス、細菌等でもできます。またこうした虫たちは、それぞれ決まった草や木を選びます。
写真のイスノキは、アブラムシの仲間によってできた虫こぶで、虫が出ていった後は空洞化し、風が吹くと笛の音のように「ヒューヒュー」と鳴ので、別名「ヒョンノキ」「猿笛」と呼ばれています。
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