がんワクチン 実用化へ センター内に拠点 検討
がん治療の新たな選択肢として、医薬品実用化に向けた臨床試験が国内の各大学等で行われている「ワクチン療法」。神奈川県がんセンター=旭区中尾=内に「がんワクチンセンター」を新設しようと、県は検討、調整を進めている。
患者の免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えるワクチン療法は、手術や放射線、抗がん剤に次ぐ「第4の療法」とされる。県立がんセンターでは、その1つ「がんペプチドワクチン療法(※)」実用化への法的承認に向けた治験実績を持つほか、専門知識を持つ医師や看護師、設備等の要素が揃っていることが、候補に挙がった主な理由だ。
昨年4月には、ペプチドワクチン開発の中核を担った中村祐輔(ゆうすけ)シカゴ大教授が、がんセンター特別顧問に就任している。県医療課は「ワクチン療法は患者からの要望が多い。県内に新拠点ができれば患者の負担も減らせる」と期待する。
今後、県はがんセンターを運営する県立病院機構や、ワクチン開発事業者との協議・調整、実用化への仕組みづくりなど手続きを進める予定。早ければ、2013年度内のセンター開設を目指したい方針だ。
(※)…がん細胞の目印になるペプチドを人工的に合成し注射することで、リンパ球の反応と増殖を促し、がん細胞を攻撃させる療法。
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