全国の消防隊で組織された「緊急消防援助隊」。神奈川県隊の第一次隊として中消防署からは6人が現地へ。3月11日に出発し約3日間活動し帰還した。第一次隊の隊長を務めた渕上正基さんと隊員の牧野暁(さとる)さんに話を聞いた。
「これが現実なのかどうか実感が湧くまでに時間がかかった」と声をそろえる二人。見渡す限りに広がった津波の爪あとに言葉を失ったという。
海岸にほど近く壊滅的な被害を受けた仙台市宮城野区での救援活動は、困難を極めた。土台ごと流された家屋や、7〜8台にも重なった車両の中を、仙台市消防局の指示を仰ぎながら、しらみつぶしにあたったが、約3日間の懸命の活動でも、結果的に生存者の救出には至らなかった。
米同時多発テロ時にも現地で救援活動経験のある牧野さんは、「絶望的な状況の中でも、嘆いている暇はなかった。とにかく一人でも多くの人の命を救うこと、家族の元に返すという与えられた任務に徹した」と士気高く振り返る。
活動をしながら感じた現地の人たちの緊張感。被災した知人には『復興は数年かかるだろう。気を張りすぎないで』と連絡したという。横浜市民には「皆さんが今持っている支援の気持ちを、長いスパンで持ち続けてほしい」と語った。
現地で同隊の指揮を務めた渕上さんは「これまでにも津波警報が出るなど、大きな津波が予想されていた今回の被災地でも、あれだけの甚大な被害。我々の地域においても”万が一”という事態の想定を見直す必要があるだろう」と話す。また「海に近い横浜でも津波に対する意識は必要。個人、家庭、会社、地域といったいろんなレベルでの日頃の災害訓練、連携、防災意識の向上をお願いしたい」と現地で感じた教訓を、地域に還元するつもりだ。
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