地震火災に備え、意見交換 横浜で防災交流会
市民や専門家が共に防災について考える「神奈川県防災交流会」が9月29日、メルパルク横浜で行われ、約350人が参加。第一部では「首都直下地震による延焼火災に備える」というテーマで、パネルディスカッションが開催された。
阪神淡路大震災で最も火災被害が大きかった現場を指揮した神戸市西消防署の鍵本敦署長は「大地震では一般住宅や工場などの同時多発火災が起こる。早朝の発生にも関わらず、公の消防力だけではとても対応できなかった」と当時の状況を説明。中消防署の小野和夫署長をはじめ、町内会連合会や福祉団体の代表パネラーがそれぞれの立場での災害対策や情報を交換し、互いの認識を深めた。
第二部で講演した女優の五大路子さんは、東日本大震災後舞台を続ける際に、仲間に支えられた経験から、日頃からコミュニティを育むことの重要性を強調。被災地での話や芝居を交えながら、会場に防災の大切さを呼びかけた。
主催団体の一つであるNPO法人日本防災環境の清水健男理事長は「一般火災は小さな火元から発生するため、日頃の訓練と準備による初期消火ができれば住民の力で大火を食い止めることができる。地域にあわせた防災対策と心構えが最大の災害対策となる」。今後の地域防災の一つとして、各団体の連携強化や現役を退いた消防関係者による新たな防災組織の構築も働きかけたいとしている。
地震火災の原因電気が3割
倒れた電気器具からの発火や停電後の通電時に切れたコードから火花が出るなど、東日本大震災の火災の3割が「電気火災」だったという調査結果を受け、今月から内閣府で本格的な対策が検討されることになった。横浜市は全国に先駆けて昨年度から木造住宅密集地域を対象に感震ブレーカー設置の補助金制度を開始したが、認知度の低さから、申請が伸び悩んでいる。
阪神大震災でも出火原因の6割が電気火災だ。「震災を経験した神戸でさえも感震ブレーカーの普及は進んでいない。高齢者宅では停電で使ったロウソクからの出火も多い」(鍵本署長)といい、一般家庭へのいち早い普及が望まれている。
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