「本牧ゆあそび館」(中区千代崎町)で5月16日、中区では初となる銭湯寄席が開かれた。演者は三遊亭一門の二ツ目、時松さん。湯上がりのくつろぎスペースに詰めかけた同館の常連客など約30人を前に、古典落語を2演目披露した。
「花咲か爺(はなさんかじじい)」などの小噺で会場を暖めたところで、最初の演目は、銭湯を舞台にした「強情灸」。灸の熱をやせ我慢する江戸っ子を面白おかしく仕立てた内容で、実際に灸を据えられたかの様に苦悶する時松さんの表情に、参加者の注目が集まった。
次に、茶の素人同士が青きな粉を使ったり、ムクの皮を使って泡をたてたりと、それでも「風流」とその場をやりきる人々の滑稽な姿を描いた演目「茶の湯」を披露。決して美味とは言えないムク入りの「きな粉湯」を、目を丸くして飲み込む時松さんの迫真の演技に、会場から笑いが絶えなかった。
今回の寄席にあたって、時松さんは「わずかな料金で数時間ゆったりと過ごせる銭湯は好きですね」とその魅力を語っていた。
落語を聞きに来ていた二見朝美さん(70)は「とても楽しかったわ。落語はテレビでたまに見るくらいだけど、こういった機会はうれしい」と笑顔で話していた。普段は銭湯に入らないが、「寄席があるから」と足を運んだ人も数多く見られた。
今回の企画は、銭湯で月2回、体操などのレクリエーションを行う市浴場協同組合主催の「デイ銭湯」の一環。笑うことで健康増進につながればと、浴場組合と中区役所が企画し、横浜にぎわい座の協力を得て実現した。
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