設立20周年を迎えた神奈川区文化協会会長として芸術の普及活動に携わる洋画家 古川 益弘さん 桐畑在住 82歳
生涯現役、横浜を描く
○…設立20周年を記念して開催した大規模な展覧会を成功に導いた。2代目の会長として神奈川区の文化・芸術を支えて18年。美空ひばりさんの楽曲を手がけた区内出身の作詞家などからの寄付もあった。「いろいろな人の協力があってここまで来れた。でもここからがスタートですね」。20年を節目に事務局機能を区役所から同会へ移し、自主運営団体としての活動が始まった。
○…中区出身。小さい頃から絵を描くのが好きで、美術部にも所属していた。明治大学に進学すると、絵画教室に通い始め、抽象画を描いていた先生のもとで絵を学んだ。四角を重ねた抽象画を歴史ある二科展に出展。入選したことをきっかけで洋画家としての道に進む。子どもたちに絵画教室を開き生計を立てたが「絵描きはメシが食えない」と苦笑い。それでも「憧れの画家はその都度変わっていく。そして自分のスタイルを作っていくものです」と絵描き魂を見せる。
○…協会設立当初は、区内の地区センターを巡回して展覧会を開いていた。2004年にかなっくホールが完成したことで常設の展示場所ができ、絵画・写真・音楽など、プロとアマチュアとの交流の懸け橋として根づいた。「神大寺地区センターで絵画教室を開いているけど、施設側の大変さがわかりました」と感謝も忘れない。自主運営団体になり、資金面などで不安はあるが「継続は力なり。若い人も増えてくれればいいですね」
○…ここ数年は個展を開いていないが、協会などの展覧会で作品を披露している。「絵描きは生まれ育った土地が体に染み込んでいるから、行き着く場所は横浜でした」。反町公園から横浜を眺めたような抽象画や、様々な光がみなとみらいを照らす作品など、幻想的な作品を多く描いてきた。「生涯現役。これからも描き続けていきたい」。キャンバスから生まれ育った横浜への愛を伝えていく。
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