▽統一地方選挙の前半戦、神奈川県知事選挙と神奈川県議会議員選挙が終わった。3月24日に知事選が告示、4月1日には県議選が告示された同日選は、東日本大震災の被害が色濃いなかでの選挙戦となった。候補者5人で3議席を争った県議選大和市選挙区では、混乱する社会情勢のなか各陣営が粘りの戦いを繰り広げた。結果は明暗を分けたが、5人の候補者とその家族、そして陣営の方々には、尊敬の念を込めて、賞賛の声を贈りたい。
▽県議選が告示される10日ほど前に、東京電力が計画停電の実施を発表した。大和市でも実施区域が変更されるなど混乱があるなか、県議選の候補予定者だった及川晃成市議(当時)は、作業服にヘルメットを被り自転車をこいで街を練り歩いていた。手には計画停電の実施区域が記された大和市の地図と、手書きで情報の要点をまとめたチラシがあった。及川さんは「今は選挙どころじゃない。選挙よりもいま市民が必要としている情報を市議として1人でも多くの市民に届けるのが先」と話し、ノボリ旗もカバンも持たずに街を歩いていた。
▽こうした動きは瞬く間に、他の候補予定者にも広がりを見せた。17日に告示される市議選の候補予定者で早くから駅頭などで自らの主張を繰り返してきた人たちも、震災関連の情報を街に発信することで政治活動を再開した。この流れを作ったといえる及川さんの選挙公報には「震災」や「災害」の文字は一切なく、県議会で取り組もうと考えてきた政策が整然と、潔く記されていた。そんな実直な及川さんではあったが、10日の県議選では残念ながら当選を逃した。
▽県議選の戦いは終わった。矢継ぎ早に後半戦が始まる。大和市では4月17日告示、24日投開票で市長選挙と市議選が行われる。市長選は現職と新人の一騎打ちだが、明確な争点は今のところない。市議選には40人を超える候補予定者がいるがこちらも争点はない。いずれも接戦や混戦が予想される選挙だが、候補者となる方々には、総花的な政策よりも、むしろ、政治を志す人としての偽らざる気持ちを多く語っていただきたい。そして実直な姿を有権者に示してもらいたい。
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