横浜市では新年度から、市立小学校の給食牛乳で従来使用されてきたプラスチックストローが廃止される。市内の給食牛乳は県内の2社が提供しており、横浜森永乳業はパック上部を開けてストローなしで飲める製品に、タカナシ乳業は自然由来のバイオマス素材を5%配合したストローに変更する。
変更にあたっては昨年3月、プラスチックごみによる海洋汚染問題に関心を持つ市内の児童らで発足された団体「Wel(ウェル)c0me(カム)」(※)が市役所を訪問し、プラスチックストローの廃止を求める要望を行ったことがきっかけ。要望には、市立の小中学校で学校給食のプラスチックストローを廃止した場合に、年間約3587万本を削減できるという試算結果や他市事例のまとめが盛り込まれていた。
児童の思い 大切に
要望を受けた市教委事務局健康教育・食育課でも、スピード感を持って対応に当たった。
横浜市の小学校給食で提供される牛乳は1日約18万7千本。数の確保を前提とした上で、利用者負担に繋がらぬよう給食費を上げずにプラスチックストローの廃止ができるかが課題となった。
市では北九州市で先行導入されていたストローレス紙パックの情報を以前から収集していたこともあり、製品の見直しを検討。子どもたちの提案に応えたいと、牛乳を提供する両社との交渉を行った。企業側の理解と努力もあり、新たな製品の導入が実現。わずか1年で従来のプラスチックストロー廃止に至った。
3・6トンの削減
同課によれば、今回の措置で削減されるプラスチックの使用量は年間で約3・6トン。両社は市域を半分に区切る形で給食牛乳を提供しており、どちらになるかは居住地により異なる。
なおストローレス紙パックを提供する学校でも、紙容器から直接飲むことが難しい低学年の児童などには、バイオマス素材ストローを提供する。現在給食が選択制の中学校でも、今後検討が進められる。
※We Love Clean 0 Microplastics Emission
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