横浜市暴力団排除条例 官民一体で安全確保 公金流入の阻止も狙う
横浜市は安全な市民生活を確保するため、その妨げになる恐れがある暴力団排除を目的とした条例を、昨年末閉会した定例会に上程、議会で可決された。今後は行政・市民・事業者が連携し、安心して暮らせる街づくりを一体となり目指す。
4月1日付けで施行される「暴力団排除条例」は▼暴力団を恐れない▼協力しない▼利用しない――を基本理念とし、市民や事業者にも排除に向け積極的な役割を果たすことを求めている。
市の主な取り組みとしては、公共事業の発注や給付金の交付、指定管理者の選定をする際には、暴力団とその関係者が含まれる事業者には行われないよう、必要に応じて県警に照会しながら、入札制限などをする方針だ。市の狙いはこうした条文を盛り込むことにより、公金が暴力団に流れることを阻止し、資金源を絶つことにある。
「市民には、身近で暴力団に関する情報をつかんだときなどには恐れずに警察に通報し、行政と一体となった活動をお願いしたい」と市消防局地域安全支援課では力説する。
県は先行実施
昨年4月、神奈川県は同じ趣旨の条例を既に施行している。施策としては、暴力団排除に取組んだことにより、団員から危害を加えられる恐れがある人の保護や、事務所の使用差止め請求訴訟を起こす人を県が支援することなどが盛り込まれている。
県内自治体でも条例導入が進んでおり、8市8町で施行済みだ(2011年11月末日現在)。今回横浜市も足並みを揃える形となったが、同局では「基本的には県条例と重複しないように、市条例を策定した。全国的にも大きな政令指定都市である横浜が暴力団を排除する意思を示した意味は大きいのではないか」としている。
市会議員の一人は「2009年に南区のオフィス街にある不動産事務所で暴力団幹部がけん銃で3人に重軽傷を負わせる事件や平塚駅前の商店街で暴力団組員が射殺され、相手方の暴力団組員が刺殺される対立抗争事件など、私たちの日常でも発生している。新条例により、根本的な排除が出来ることを期待している」と話している。
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