学齢障害児 放課後支援、拡充へ 旭区の施設「いっぱい」 1日10人受入可に
小学生から高校生の障害児を放課後に預かる施設「いっぱい」(中沢・大越敏男所長)。2009年に開所した同所は、横浜市独自の取り組み「障害児居場所づくり事業」によるもの。6月20日から受け入れを増やしており、潜在的なニーズに対応していく考えだ。
旭区内で唯一の預かり施設「いっぱい」は、NPO法人いっぱい・障がい者地域生活サポート会が運営。費用は市の補助金や利用料金、寄付金でまかなわれている。
横浜市や同法人によると、障害児が自由に遊べる場所を提供し家族以外と接することで、社会ルールを身につけてもらうことを目的にしている。また親が兄弟児と関わる時間を増やしたり、就労や社会参加の機会を確保することにもなるという。
施設には特別支援学校や養護学校、地域小学校の支援学級に通う6歳から18歳まで約80人が登録。1日平均8人、1カ月で延べ約200人が利用している。これまでは1日の受け入れ限度数が10人未満だったが、部屋の拡張により、10人以上13人未満の受け入れが可能となっている。
大越所長は「施設の存在を知らなかったり、利用をためらう人はたくさんいるはず。多くの方が利用できるようにしていかなければならない」と力を込める。
一方で「将来的には施設が必要なくなるような環境になってほしい」という指摘も。幼いころから地域外の学校に通学する児童も多いことから、近所に友達がいなかったり、地域に親子の存在が知られていない場合があるという。大越所長は「昔は近所の住民同士が助け合い、子どもの面倒を見てくれていた。もっと障害に対する理解を深めてもらえれば」と話している。
登録者数各区で差も
市によると、施設が設置されているのは14地区16カ所。登録者数は908人で、約6割が小学生だ(4月1日時点)。施設が設置されている旭区や青葉区は100人以上の登録があるものの、施設がない金沢区は7人と、区によっても登録者数は大きく異なっている。
市では「早期設置を望む声も多いが、施設を運営する法人が見つからないと難しい。今年度末までに、各区1カ所の設置実現を目指す」としている。
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