横浜市では震災の避難場所として、小中学校が「地域防災拠点」に指定されている。運用方法は各区で異なるが、旭区では東日本大震災を機に、震度5強以上で開設することの周知を徹底した。行政の指示がなくても拠点の運営委員会の判断で開設するケースなどもあることから、学校区や連合自治会など地域間での日ごろの交流が一層求められそうだ。
地域防災拠点は、家屋の倒壊などで自宅に住めなくなった住民の避難場所とされている。旭区では37ヵ所の小中学校が指定されており、自治会などによる運営委員会がその機能を担う。その一つ、若葉台団地にある旧若葉台東小学校では、東日本大震災が発生した3月11日、建物の倒壊はなかったが、停電などにより不安を感じた住民80人が拠点に集まった。本来であれば拠点を開設するケースではなかったが、住民らのニーズをくみ取り、運営委員会が判断し開設した。
高齢者が多く住むひかりが丘団地でも震災当日、不安に感じている住民のために集会所で住民を受け入れた。広報車で呼びかけも行ったところ、約60人が集まった。今回の震災を受けて、今までは避難場所までの誘導訓練を行っていたが、今後は拠点を開設し、避難者への対応のシミュレーションを行う方針だ。
これらの事例を踏まえ、旭区役所では、テレビやラジオで震度5強以上が確認された場合は、区役所などからの連絡がなくても各学校に集まり拠点を開設するよう、5月の総会で運営委員会に依頼した。
拠点で宿泊訓練
白根地区町内会自治会連合会(嘉村訓价会長)では2年前から防災拠点の不動丸小学校で宿泊体験を行っており、今年も9月24・25日に開催する。災害時を想定し体育館に宿泊する訓練で、昨年は60人が参加。宿泊体験以外にも、防災講座や障害者への理解を深めるための講座が開催される。
体験者によると9月末は夜中になると冷え込むことなどもあり、健常者でも生活に不自由を感じたという。そのような危機感を感じ、防災意識を高めてもらうことも目的の一つだ。嘉村会長は「東北の様子を見ていると、地域で助け合う重要性を痛感する。いざという時に協力できるよう、地域の行事などで心の結びつきを強めていきたい」と気を引き締める。旭区では「災害時は地域のつながりが大切。日ごろから顔の見える関係性を築いてもらえれば」と呼びかけている。
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