旭区今宿在住のスカッシュ選手、机伸之介さん(22)=写真=が、11月23日から27日に「ヨコハマスカッシュスタジアム SQ―CUBE」(港北区)で行われた第40回全日本スカッシュ選手権大会・男子で初優勝を果たした。「海外にはまだまだ上がいる」。イギリス修行を経て、日本の頂点に立った男が見据えるのは、強豪がひしめく世界の舞台だ。
スカッシュは2人の競技者が正面の壁に向かい、テニスのようなラケットでボールを交互に打ち合う、イギリス生まれの屋内スポーツ。テニスよりラケットが軽量で扱いやすく、レクリエーションスポーツの一つとして、日本でも幅広い世代に広がりつつある。
「(他大会で)勝っている相手なので自信はあったが、不安やプレッシャーも感じていた」。今大会の山場と振り返る27日の準決勝。昨年、一昨年の決勝で連敗した日本ランキング1位、福井裕太選手に競り勝ち、王者の大会4連覇を阻んだ。
スコアは3―1(11―6、12―10、9―11、11―4)。「我慢して(相手のショットを)拾っていくベーシックなタイプ」との言葉通り、堅実なプレーの積み重ねが導いた結果だ。
英国で武者修行
「スカッシュ人生を根底から変えた」という今年8月のロンドン行きは、世界トップクラスのコーチを知人に紹介してもらい、Eメールを送ったのがきっかけ。「世界で戦えるプレーヤーになりたい」―その熱意とハングリー精神が伝わり、練習生の一人として招かれ、約2ヵ月半、コーチの指導を受けることになった。
世界ランキング200番台後半の自分にとって、海外経験の必要性はずっと感じていた。「レベルの差がありすぎて練習にならなかった」。ドイツやマレーシアなど、これまで渡った海外の舞台で実感してきた実力不足。そんな中、スカッシュの母国で学んだのは「リラックス」。「今まで気づかないうちに力むことが多かった。抜くところと踏ん張りどころの使い分け方がわかってきた」。帰国後、約半月後の今大会でつかんだ手応えがそこにあった。
視線の先は世界
両親の影響で10歳からスカッシュを始め、毎日のように練習に明け暮れた。市立中沢小を経て旭中へ。中学時代は日本代表ジュニアにも選出され、世界の強敵と対峙してきた。「中途半端は嫌だなって。環境を変えようと思った」。県立旭高校を卒業してすぐマレーシアに渡るなど、常に自分を磨く場を求めてきた。
現在はスカッシュ専門施設のチーム「SQ―CUBE PRO」に所属し、選手活動の傍らコーチとして後輩指導にも注力する。「まず世界ランク100番台が目標。自分のプレーを多くの人に見てもらい、世界を目指す選手をもっと増やしたい」。若き新王者が、日本スカッシュ界に新たな旋風を巻き起こそうとしている。
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