川井小 歴史超え 土器づくり 帷子川の粘土 原料に
市立川井小学校(石川英雄校長)の5年生児童が、帷子川で取れた粘土で器づくりを行った。旭区には市内で人々が活動した最古の痕跡とされる矢指谷(やさしやと)遺跡があり、川井地区周辺でも縄文時代のものと見られる土器が出土する。数千年の月日を経て児童らの手により当時の土器に近い「川井焼」が完成した。
川井焼づくりのきっかけは、帷子川に親しんでもらおうと昨年秋、川井小ほか4校で行われた帷子川学習会。川底の土がヌルっとしていたことから「粘土では」と考えた同校の石川校長が「帷子川の粘土で焼き物ができないか」と提案し、挑戦が始まった。その背景には、川井地区周辺の畑から出土する縄文時代の土器の色と帷子川の粘土の色味が似ているということもあったという。
川井焼づくりは7月、5・6年生の理科の授業をサポートする理科支援員の飯島稔さん(66)=白根在住=の協力で、帷子川での粘土採取からスタート。採取した粘土は水簸(すいひ)と呼ばれる精製作業を行い、一般的な粘土状態に。市販の焼き物用粘土と混ぜ合わせ、児童らが成形作業を手がけた。乾燥させた後、同校にある焼釜を使い素焼き。さらに釉薬(うわぐすり)かけ、表面ならし、乾燥を経て本焼きを行い、約5カ月かけて完成した。
完成した川井焼の底には児童らが思い思いのメッセージを刻み、一つひとつがオリジナルの器に。川井焼は12月3日から6日に同校で行われた作品展「わくわくランド」内で展示され、地域の人たちにもお披露目された。
5年2組の山内彩未さんは「初めて帷子川の粘土を使ってお茶碗を作った。うまく作れるか心配だったけど、作品は割れないで仕上がっていた。また機会があったら作ってみたい」と振り返る。飯島さんは「何もないところから、こうして作品ができたのがすばらしい」と話し、石川校長も「子どもたちが自分たちの町を好きになる一つになれば。6年生で学ぶ歴史にもいい形でつながっていくのでは」と話していた。
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