旭区在住ボクサー 単独インタビュー 八重樫、決戦へ 初の統一戦、20日に
昨年10月、旭区に住む一人のプロボクサーが、世界王者についた。彼の名前は、八重樫東(やえがしあきら)選手(29)。WBA世界ミニマム級、悲願だった世界一の座だ。
あれから8ヵ月。WBA王者の八重樫選手と、WBC同級王者の井岡一翔選手(23)による統一戦が6月20日、大阪のボディーメーカーコロシアムで行われる(TBSテレビで午後7時〜生中継予定)。日本人王者同士の統一戦は初めて。真の「王者」を決めるため、ゴングが鳴らされる―。
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「統一戦が決まったときは、素直に嬉しかったです。自分が戦いたいと思う選手とはなかなか試合できないものだから。本当に、周囲の方たちのおかげだと思っています」。八重樫選手は、試合が決まったときの心境を振り返る。
対戦する井岡選手は昨年2月、WBCの世界王者になった。これまでに2度、防衛に成功している。「井岡選手は、才能あるボクシングをする選手だし、なにより強い。でも、チャンピオンは一人でいいんです」と淡々と語る。
「僕は下馬評では不利、井岡選手が勝つと言われています。それは、自分にとってありがたいこと。変なプレッシャーを感じることなく、いつも通りの試合をするだけですから。それに、そう思われている僕が勝つと、面白いじゃないですか」。静かに闘志を燃やすが、「試合は『死んでも』勝つ」と言い切る。
「今回は自分のために戦う。自身のボクシングに対する興味のために、思い切り試合したい。統一戦は自分が今、どの位置にいるのかを試せる絶好のチャンスなんです。もちろん、家族のためにも戦います」
家族への思い
大切な家族は、八重樫選手の一番の応援団だ。「声援は心強いし、励みになる」と笑みをこぼす。昨年の世界戦では、「勝ったらディズニーランドに連れて行く」と小学1年生の長男・圭太郎君と約束。その約束は見事に果たされ、家族4人そろって、ディズニーランドを満喫した。「長女・志のぶ(1)はミッキーが恐かったみたいですが。正直疲れましたけど、みんな楽しそうだったのでなにより」
今回は、特別な約束は何もしていない。「圭太郎も小学生になったし、学校の友達にもきっと僕のことを話しているだろうから。『お父さん弱いね』って言われないようにしないと」
試合では、「自分のボクシングがしたい」と話す。「目指すのは相手に打たせず、自分が打つボクシング。それを実現させたい」
試合まであと6日。日本中が注目する一戦だ。「勝ったら、また上が見えると思う。絶対、勝つ」。最後まで笑顔を絶やさず、穏やかに語った。
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