再整備工事が行われていた川井浄水場=上川井町=で、セラミック製の膜モジュールを使用した国内最大級の膜ろ過方式の水処理施設が完成し、4月1日から給水を開始する。水質の向上が期待されるほか、浄水処理能力も上がることから給水区域も拡大する。
横浜市内には川井のほかに西谷、小雀の3つの浄水場があるが、川井浄水場は1901年に創設された市内最古の浄水場。老朽化と耐震化の問題から全面的な改修が必要となり、09年から民間企業の資金を活用するPFI事業(事業者・ウォーターネクスト横浜(株))により再整備が行われていた。現在の施設跡地は4月中旬ごろから撤去作業に入る。跡地利用に関しては、現在検討中だという。
新たにできた施設は愛称公募により、若葉台在住の松原恵子さん考案の「セラロッカ」が採用された。膜ろ過は小さな孔(あな)に原水を通し、汚れや細菌を取り除く仕組み。これまでの砂ろ過方式に比べ、より細かな粒子まで除去できるという。
1日あたりの浄水処理能力が現在の10万6400㎥から17万2800㎥に増加するため、給水区域が約19万戸から約31万戸に拡大。これまでは旭・瀬谷・緑・青葉区方面が給水区域だが、4月1日からは神奈川・保土ケ谷・泉・戸塚方面が加わる。この規模の浄水処理能力は国内最大級。副現場業務責任者の浅野眞也さんは「より安心できる浄水を継続して供給できるのが強み」と話す。
また、セラロッカでは水源となる道志川からの高低差を利用した自然エネルギーを活用。水源から浄水までの工程を電力を使わず運転する。さらに、水道水を貯めておく配水池の上には太陽光発電パネルを設置することで、浄水場で必要な電力をまかなう。
鶴ヶ峰は配水池に
11年3月に休止した鶴ヶ峰浄水場は現在、配水池建設の工事中で、16年9月の完成を目指す。完成後は川井浄水場からの水道水が貯められる。
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