南希望が丘在住のボクシングWBC世界フライ級チャンピオン八重樫東(あきら)選手(31)が4月6日、東京・大田区総合体育館で3度目の防衛戦に挑んだ。同級8位の挑戦者オディロン・サレタ選手(28)=メキシコ=にKO勝ち。王座を死守し、戦績を20勝3敗とした。
次戦は元世界2階級王者で39戦39勝(33KO)のローマン・ゴンサレス選手(26)との対戦が濃厚に。八重樫選手が「ボクシング人生の分岐点になる試合。生命の危機を感じるくらいの相手」と話す強敵だ。それでも「ここで楽しまなければボクシングの何が楽しいのかという気持ち。ハイリスクの相手は勝って得るものも大きい。このチャンスを生かせるかは自分次第」と語気を強める。
第二の故郷「横浜」
21歳のときから横浜に住み、旭区も5年目を迎える八重樫選手。「横浜に来てから人生が変わった。いろんな思い出がある」。デビュー2年後の2007年、初の王座挑戦ではあごを骨折して敗れるなど苦い経験も。旭区に来てからは世界王者に輝いた。声援は本人にも届いており、「ドン・キホーテでも西友でも、大池公園にいても、自転車に乗っていても声をかけてもらえる。ありがたい」と話す。
試合後、つかの間の休日には長女・志のぶちゃん(3)の幼稚園の入園式に出席するなど、家族との時間を楽しんだ。「(子どもたちは)いたらいたでうるさいんだけど、いなかったらさびしい」と語る。闘いの日々の中で、家族と過ごす時間は貴重な安らぎとなっている。
また、旭区に引っ越してきた際に隣近所で「お世話になった」と八重樫選手が話すのは、旭区連合自治会町内会連絡協議会の佐々木明男会長。今も「おじいちゃん」と呼ぶなど交流が続く。ソフトボールをしている長男・圭太郎君(小3)は、佐々木会長の家で素振りや将棋をすることも。佐々木会長は「出会った当時からしっかりとした子育てをしていた。横浜にいて防衛記録を破るくらい頑張ってほしい」とエールを送る。
常々「強いお父ちゃんを見せたい」と公言している八重樫選手。「次は最強と呼ばれるゴンサレス。勝ったら『世界一強いお父ちゃん』って言ってもいいですよね」。控えめな言葉に覚悟をにじませた。
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