こども自然公園=大池町=の教育水田で万騎が原・南本宿の2小学校が30年以上続けている稲作。今年度は新型コロナウイルスの影響で合同での活動が見合わせとなったが、来年度へ向けて両校で動きが進んでいる。
米が作られる過程や命の大切さなどを学ぶために、田んぼを通した兄弟校として毎年教育水田で稲作に取り組んでいる両校。地域の水田指導員や教育水田サポーター、保護者、教諭らが協力し、児童たちは年間を通じてもみまき、田植え、稲刈りなどを体験している。
例年は4月から段階を踏んで活動しているが、新型コロナの影響で学校は5月末まで休業に。その間に関係者が協議した結果、児童をはじめ活動に携わる人々の安全を考慮して今年度は合同での活動を行わないことが決定していた。そのような状況の中、活動をつないでいくために、両校がそれぞれできる形で取り組みを進めてきた。
校内の水田活用
南本宿小では、4年ほど前に造った校内中庭のミニ水田を活用。例年は教育水田に合わせて田植えが行われ、稲の発育状況を校内で感じてもらうために準備されている。
本来は4年生が教育水田での活動の前段階として田植えや稲刈りなどを行うが、今年は6年生が10月28日に稲を収穫。限られたスペースでの活動となったが、安全に注意して全ての稲を刈り取った。また、稲刈りを体験できなかった5年生のために刈り方を動画で撮影し、来年度へ向けて校内で公開するという。
ミニ水田の管理には5・6年生が所属するSDGs委員会も活躍。稲の様子を定期的に撮影して掲示したほか、5年生向けの動画で説明も担当した。西尾琢郎校長は「SDGs委員会の児童も大きな役割を果たし、いつもと違う枠組みだからこそ、新しい形で取り組むことができた」と話した。
自然と稲が発育
一方、田植えなどが行われなかった教育水田では、昨年の稲株から自然と稲が発育。来年度へ向けて草刈りをした際に発育が確認されたという。
同公園に隣接する万騎が原小では校内の水田での取り組みと合わせて、10月13日に教育水田でその稲を刈り取った。当日は指導員やPTAも協力し、5・6年生が稲を刈り、4年生が稲を運搬。マスク姿の児童たちは一面に育った稲を談笑しながら刈り取り、今年度初めての教育水田での活動を楽しんでいた。児童らの様子を見て金子祐治校長は「今できることを笑顔でできた。少しでも子どもたちが経験できてよかった」と話した。
水田指導員の相原博さんは自然と発育した稲に「初めての経験。生命力はすごい」と驚き、「活動が一切できないと思っていたから、少しでもできてよかった。久しぶりに子どもたちにも会えたし、来年につなげられれば」と笑顔で話した。
旭区・瀬谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>