神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
旭区版 公開:2021年4月8日 エリアトップへ

ズーラシア ツシマヤマネコ 繁殖成功 人工授精で国内初

社会

公開:2021年4月8日

  • LINE
  • hatena
誕生したツシマヤマネコの赤ちゃん(ズーラシア提供)
誕生したツシマヤマネコの赤ちゃん(ズーラシア提供)

 絶滅危惧種に指定される「ツシマヤマネコ」の人工繁殖に2019年度から取り組んできたよこはま動物園ズーラシア=上白根町=で、3月18日に同種の赤ちゃんが誕生した。人工授精による繁殖成功は国内初の事例で、同園でツシマヤマネコが繁殖したのは今回が初めて。

 ツシマヤマネコは、長崎県対馬だけに約100頭のみ生息している野生のネコ。大きさは通常の飼い猫と同程度で、耳の後ろの白い斑紋と太く長い尻尾が特徴とされる。生息環境の悪化などが原因で数が減少し絶滅が危惧されることから、1971年には国の天然記念物、94年には国内希少野生動植物種に指定されている。

種の保存に尽力

 ズーラシアでは、環境省が取り組むツシマヤマネコ保護増殖事業に基づき2006年からツシマヤマネコの飼育を開始。1つの動物園で飼育することへのリスク回避策として、分散飼育に貢献してきた。近年飼育下にある個体群が高齢化する中で、19年度からは国内では同園のみが有している人工授精技術を用い人工繁殖担当園館としての新たな役割を担ってきた。

 今回の繁殖成功の鍵を握った人工授精技術「腹腔鏡下卵管内人工授精」は、ホルモン剤で卵巣の状態を適切にコントロールした後、腹腔鏡を使い卵管内に精子を直接注入する方法。19年度は妊娠に至らなかったが、技術の修正を行ったことで、今年3月上旬に5歳のメス(愛称・マミ)の妊娠を確認し産子を得た。

 誕生した赤ちゃんは生後1日まで母親が面倒を見ていたが、母乳がしっかりと出ていなかったことから人工哺育に切り替えて生育。現在はすくすくと成長しているものの、細心の注意を払って飼育に取り組んでいる。今後の公開や愛称募集は未定だ。

 一般にネコ科動物は動物園で飼育される動物の中でも生理学・解剖学的に人工繁殖が難しいとされる。ズーラシアの職員は「絶滅危惧種であるツシマヤマネコの保全に、当園の技術で貢献できたことがとてもうれしい。今回の繁殖成功によって、国内にツシマヤマネコという絶滅危惧種がいることを知ってもらうとともに、それらの種を守るために動物園が行っている『種の保存』の役割や取り組みを知ってもらう機会になれば」と話した。

旭区・瀬谷区版のトップニュース最新6

「農」の魅力伝える

瀬谷区

「農」の魅力伝える

8日、初のせやまる市場

5月2日

子育てに「ゆとり」創出

山中市長インタビュー

子育てに「ゆとり」創出

直接支援で実感へ

5月2日

今の風景を次世代へ

写真と楽しむ会

今の風景を次世代へ

原中コミスクで作品公開

4月25日

活性化へ3者協定締結

若葉台団地

活性化へ3者協定締結

大学の専門性を生かす

4月25日

歩道橋にEV設置へ

三ツ境駅北口

歩道橋にEV設置へ

市、25年度の完成目指す

4月18日

知る会で地域住民と交流

ウクライナ避難民

知る会で地域住民と交流

鶴ヶ峰の犬飼さんが企画

4月18日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月2日0:00更新

  • 4月18日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

旭区・瀬谷区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

4月27日から都市発展記念館が公開

4月27日~5月31日

旭区・瀬谷区版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月3日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook