本紙では、横浜市で12年ぶりの新市長に就任した山中竹春市長にインタビューを行った。山中市長は新型コロナウイルス感染症対策を最優先事項に挙げるとともに、公約で掲げたIR(統合型リゾート)誘致撤回では早期に市民に方針を伝える考えを示した。停滞、閉塞感を訴える市民の声に対しては、これらを打破し期待に応えるべく誠心誠意尽くすと述べた。(9月2日/聞き手・北原健祐、木曽祐司)
「コロナ対策が最優先」
――まず、市民の関心事は新型コロナ対策です。
「ワクチン接種に関しては、横浜市の第1回目の接種率は約50%。これは全国的に見ても高くはありません。さらに接種率が高まるような取組みをしていきたいと考えています。また、医療体制の確保、子どもの感染対策としてどういったことを行うか、今その方針を検討しています。(新型コロナ対策は)最優先事項の一つとして捉えていますので、至急検討し、早い段階で市民の皆様に方針をお示ししたいと考えています」
――新型コロナ対策を含め、市政へのデータ活用法についてお聞かせください。
「今、どういったデータを使っているのか、どういった指標があるのかを関連部局と議論しています。(ある指標の見方を)見極める場合に、別のデータが必要になることがありますが、やはり、一つの指標でデータを見るだけではなく、複合的な視点から、その数字が持つ意味を解釈する取組みが必要だと思います。その他の事業に関しても同様ですが、そういった意識を市役所内の多くの方に持ってもらいたいと思います」
IR誘致撤回、方針提示へ
――IR誘致の撤回を訴えてきましたが、具体的な手続きとスケジュールは。
「現在、誘致の撤回に向けて必要な作業を整理しています。選挙期間中に誘致を即時撤回しますと申し上げてきましたが、8月30日の公務開始から市民の皆様に公式にアナウンスしたことはありませんので、早い段階で方針をお伝えします」
――山下ふ頭の再開発はどのようにお考えでしょうか。
「山下ふ頭に関しては、その歴史や特性を踏まえたうえで、市民の理解が得られる、市民から愛されるものをつくりたいと考えています。どういったものをつくっていくかに関しては、市民の皆様の意見を踏まえたうえで、これから検討を始めます」
――公約では敬老パスの自己負担ゼロ、子どもの医療費ゼロ、出産費用ゼロを掲げました。
「(これらの実現には)財源の検討も必要ですので、スケジュールに関して関連部局と検討を開始したところです」
対話重視で議会へ
――議会にはどのような姿勢で臨みますか。
「市政は二元代表制。市会議員は民意を代表した方々ですから、市会議員の皆様のご意見は重要な市民のご意見だと考えています」
――議会で多数を占めるのは自公会派です。
「会派を超えて、議会の皆様方と対話を重ねるという私自身の姿勢が、とても重要です。市長も、市会議員の方々も横浜市を良くしたいという思いは同じ。選挙中に掲げた政策を支持して投票してくださった市民の皆様の期待に応えられるよう、議会の皆様方との対話を進めていきたいと考えています」
――市長職は激務になると思いますが、普段の息抜きは。
「ジョギングはよくしています。いや、していました。今は忙しくてできませんが。コースはその日の状況によって決めています」
――横浜市内で好きな場所を教えてください。
「鶴見川の景色や桜の大岡川、みなとみらい橋から見る風景などです。私は水辺が大好きです。私自身が山間部で育ったので憧れもありますね」
――最後に市民へメッセージを。
「これまでの街頭活動では、さまざまなご意見をいただきました。その中で今、横浜が停滞している、閉塞感があるという思いを市民の皆様が持っていることを感じています。それらを打破し、ぜひ市民の皆様の期待に応えられるような新しい横浜をつくっていけるよう、誠心誠意努力してまいります」
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