高校野球県大会 横浜が3年ぶりV 春夏連続で甲子園出場
第93回全国高等学校野球選手権神奈川大会の決勝戦が7月29日、横浜スタジアムで行われ、横浜高校が3年ぶり14度目の優勝を果たした。選手らは、6日に開幕する本選に向け、母校を出発。春夏連続出場となる甲子園で、真紅の優勝旗を目指す。
曇り空の下で始まった桐光学園との決勝は、4回まで互いに無得点。横浜は5回裏、青木力斗三塁手のスクイズで先制するも、7回に桐光が追いつき1対1。9回裏の攻撃は1死満塁でサヨナラのチャンスとなったが、2打者が凡退し延長戦に。応援席は重い空気に包まれた。
しかしナインは、勝利を信じて疑わなかった。「最後に校歌を歌うのは俺たちだ。気持ちでは絶対負けないぞ」―。試合前、乙坂智主将がナインに語った言葉を、それぞれが心に留めていた。そして延長10回裏の攻撃。2死二・三塁の場面で、近藤健介捕手のバットから快音が響いた。三塁ランナー乙坂主将が本塁に飛び込み、自らの言葉通り、勝利をもぎ取った。
「総力戦」で全国へ
優勝までの道のりは、決して楽ではなかった。準々決勝・立花学園戦は4対3、金沢勢対決となった準決勝・横浜創学館戦も5対4と辛勝。一人ひとりがつないで点を取る「全員野球」で、接戦をものにしてきた。そして決勝スコアは2対1。渡辺元智監督は試合後、「まさに総力戦。選手の特徴が生きるよう、大胆に戦った」と振り返った。
乙坂主将も、「全力疾走、全力プレーで思い切って戦った。みんなで掴んだ勝利です」と笑顔。本選の意気込みを問われると、「甲子園でも大暴れしてきます」と、松坂大輔投手が活躍した1998年以来となる、13年ぶりの全国制覇へ気持ちを新たにした。
並木出身・宍倉「チームひとつに」
宍倉和磨選手(並木中出身)は、大会直前の練習試合で故障。ベンチ入りするも、県大会では出場機会がなかった。それでも、「大事なのはチームが勝つこと。意識して声を出して、ベンチを盛り上げることはできたかな」と笑顔だった。
甲子園では「チームが一つになれば絶対勝てる」と真っ直ぐな目で語る。自身の出場は「がんばり次第」だという。その実力を存分に発揮し、地元・金沢にがい旋できるか。注目の本選はあさって6日に開幕する。
「日本一幸せ」金沢中出身の保條記録員
「嬉しさしかない。自分は日本一幸せなマネージャーです」。今大会で記録員を務めた保條有大マネージャー(金沢中出身)は試合後、うっすらと涙を浮かべながら喜びを語った。
金沢のシニアリーグで野球をしていた中学時代、故障で野球を辞めざるを得なくなった。それでも野球に関わっていたいと、裏方を買って出た。シニアチームの監督の引き合わせで横浜高野球部に入り、3年間チームを支え続けた。「本当に楽しく、充実した3年間。最後の夏は、選手と共に日本一のマネージャーになります」と目を輝かせた。
この夏、金沢区が生んだ”もうひとりの球児”が、甲子園で高みを目指す。
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