例年ならこれからピークを迎える紅葉。しかし区内各地で、落葉樹の葉が色づく前に落ちたり、枯れたりする現象が相次いでいる。9月の台風15号による強風で、巻き上げられた海水が吹き付けたことが原因と見られている。
葉が落ちたり枯れたりする被害が出ているのは、ケヤキやサクラ、カエデなどの落葉樹ばかり。横浜市環境創造局南部公園緑地事務所によると、沿岸部に近い野島公園や海の公園、富岡総合公園では、ほとんどの落葉樹が被害を受けた。
内陸部も例外ではない。区内各地の街路樹や庭木をはじめ、海から3キロ以上離れた金沢動物園でも同じ現象が。同園は、「被害は園全体の3〜4割に上っています」と困惑気味だ。
強風、そして塩害
日本自然保護協会自然観察指導員の金子昇さんによると、この現象は9月の台風15号による影響と見られる。この台風は、9月21日に本州に上陸。強い勢力を保ちながら同夜にかけて関東地方を襲った。横浜地方気象台の観測では、当日午後2時から6時間連続で平均風速が10mを超え、午後6時ごろには最大瞬間風速35・3mを記録。区内でも負傷者が出るなど大きな被害をもたらした。
金子さんは、「強い風に長時間さらされて樹木の組織が痛めつけられたうえ、風が巻き上げた海水が樹木に付着し、葉が呼吸できなくなったのでは」と、塩害の可能性を指摘。葉が薄い落葉樹が特に影響を受けたという。さらに、「ここまで広範囲で大きな被害は、近年でも珍しい」と続けた。
これからの時期は例年、カエデなどが人々の目を楽しませる紅葉シーズン。だが今年は、「風下で被害を受けずに済んだものを除いて、きれいな紅葉は期待できないかもしれません」と金子さん。ただ、来年新しい葉に変われば、元どおりの紅葉が見られるという。
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