楠山コレクション 一堂に 千点超える八景の資料
金沢に関する資料の収集家として有名な楠山永雄さん(81)のコレクションを集めた「金沢八景いま昔」展が県立金沢文庫(金沢町142)できょう12日(木)から開催される。千点を超える希少な資料の全貌が初めて明かされる。
展示されるのは楠山さんが40年近くかけて収集した金沢八景ゆかりの刷り物、浮世絵、古写真、絵はがき、パンフレットなど。江戸時代の浮世絵から昭和40年代の鉄道会社のパンフレットまで希少な資料が並ぶ。金沢文庫の学芸員・山地純さんは「単品で見たことがある人は多いと思うが、コレクションの全体像を公開するのは初めてのこと。現代につながる資料が多いのも特長」と話す。
1899年に制定された軍機保護法・要塞地帯法により、横須賀に近い金沢では勝手に写真を撮ったり、絵を描いたりすることが禁じられていた。そのため、戦前から戦中にかけての風景を今に残すのは横須賀鎮守府の検閲を受けた絵はがきのみ。楠山コレクションからはこうした海軍の影響も知ることができる。「個人でここまで集めたのは、凄いのひと言」と山地さんはその価値を評価する。
一枚の古地図で収集家に
楠山さんが資料収集に興味を持ったきっかけは、単身赴任中に京都で出会った一枚の古地図だった。文政10年(1827年)に能見堂が刊行したその地図には、自宅のある金沢の昔の姿が描かれていた。それから金沢の郷土史に関心を持つようになった楠山さんは、金沢に関する資料を古書店や骨董品店を巡り求めてきた。「金沢と名のつく古いものなら何でも集めた」と微笑む。その資料は、新聞社や出版社、市町村の刊行物、地元鉄道会社の社史などに参考資料として掲載されることも少なくない。「集めた資料のすべてに思い出がある。(この展覧会は)八景に興味のある地元の人にぜひ見てもらいたい」と話している。
親子で学ぶ見学会も
金沢文庫(【電話】045・701・9069)は同展覧会を地元の子どもたちにも見て欲しいと、子ども向けの見学会「親子で学ぶ金澤八景」を実施する。日時は4月14日(土)、5月3日(祝)、6月2日(土)の午前10時30分から。当日自由参加(子どもだけの参加も可)。
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