市立保育所での3歳児以上への主食提供が、来年3月末までに金沢区内全保育所で実施されることがわかった。これにより、私立含む金沢区内すべての認可保育所で、温かいご飯が提供されることになる。
横浜市立の保育所では従来、3歳児以上の昼食は副食のみを提供し、主食は家庭から持参させていた。しかし、ご飯が冷たくなることや、衛生上の問題から、園で提供するよう保護者の要望が高まっていた。
これを受け市は、2006年から港南区などの園で主食提供をスタート。区内では昨秋から順次提供が始まり、現在は釜利谷、金沢さくら、南六浦の3保育園で実施している。区こども家庭支援課によると、残る並木、並木第二、北六浦(来春民間移管予定)の各保育園でも、来春までに実施するという。私立はすべての園で主食提供しているため、これで区内の全認可保育所で提供を受けられるようになる。
残食が減少
「いただきます」の元気な声でご飯をほおばるのは、釜利谷保育園(長門久美子園長)の子どもたち。保育士が盛りつけたご飯に、園児の箸も進む。調理員の武地由美子さんは、「以前より残食が少なくなった。たくさん食べてもらえるのはうれしいですね」と顔をほころばせる。
また、園で収穫した野菜などで炊き込みご飯も提供。長門園長は、「食は生活の基本。園児には食生活から人の温もりを感じてほしい」と、食育にも役立てていく考えを示した。
費用は保護者負担
市が取り組みをスタートさせてから、金沢区での完全実施にはおよそ7年の歳月を要した。港南区や磯子区など10区はすでに実施が完了している一方、緑区などは、いまだ完全実施のめどが立っていない。遅れの背景には、食器棚や炊飯器の設置スペースの確保や、電気工事、保護者への説明が必要なことなどがあるという。
また、主食提供にあたり、保護者は保育料と別に月額1200円を負担している。これは、04年の法改正以前に、主食提供が国庫補助の対象外だった名残だ。東京23区などは、自治体が主食代を補助をしている例もある。市こども青少年局は「今のところ、市として主食補助をする予定はない」と話している。
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