イコモス調査終了 世界遺産登録へ好感触 文化庁らが会見
「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録の可否を左右するイコモス(国際記念物遺跡会議)による調査が9月27日に終了したことを受け、同日、文化庁・国土交通省と4県市の記者会見が鎌倉市役所で行われた。
調査を行った中国・イコモス国内委員会の王力軍(ワンリジュン)氏は、24日から27日までの4日間をかけて21の資産候補地すべてを訪れたという。文化庁の石野利和文化財部長は会見で、王氏の関心事は主に【1】資産の範囲【2】保全管理の在り方【3】史跡の復元についての考え方とその実施について―の3つと説明。調査の中で王氏は、円覚寺と建長寺をつなぐ山稜部で、三方山、一方海という稀に見る政権所在地の類型を目の当たりにしたという。
石野氏は、「説明はしっかりできた。一定の理解は得られたのではないか」とし、「登録を信じている」と自信を見せた。
今回の調査結果を踏まえ来年5月にイコモス勧告が公表され、同6月にプノンペンで開かれる第37回ユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が決定する。
金沢区内からは称名寺と朝夷奈(あさいな)切通(きりどおし)の2史跡が候補遺産になっている。調査にも同行した横浜市教育委員会生涯学習文化財課の中田一志呂(かずしろ)課長(53)は、「王氏には2カ所をしっかり見てもらった。世界遺産にふさわしい史跡だと理解してもらえたと思う」としたうえで、「登録には市民の皆さんの理解が大切。広報・PRに努め、市の誇りとなるよう登録を推進していく」と話した。
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