神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

ヨコハマから世界へ―連載 指導者の道「一球全力」 【1】ブラジル野球連盟 黒木豪さん

スポーツ

公開:2013年4月11日

  • LINE
  • hatena
全国3位に=本人(右上)提供
全国3位に=本人(右上)提供

 「技術以前の問題だった」。2009年7月、ブラジル・サンパウロ州の日系人が住む町で、少年野球チームのコーチに就任した。

 キャッチボールで悪投した球を放置したままと思いきや、自転車に乗った子が外野に散った球を集める。汗、涙、感謝…野球への思いがたくさん詰まっているはずのグラウンドに、無残についたタイヤのあとを茫然と眺めるしかなかった。

 相手は10代前半の子どもたちと、自分の親くらい歳の離れた監督、コーチ陣。数カ月後に控える全国大会に向け「夏の連戦で集中力を保つために、まずは体力」と、過去にないほどの厳しい練習を容赦なく課した。

 辞書片手につたないポルトガル語でのコミュニケーションに四苦八苦しながら、町中から「あの先生はいらない」と非難を浴びる日々。一球の重み、道具の大切さ、支えてくれる人への感謝…日本流の基本姿勢を繰り返し説き、子どもたちの心に一歩ずつ迫っていった。

 やがて、自己表現が苦手だった子たちの口から「野球がやりたい」という本音が聞かれるように。全国大会3位に輝くと、地元の非難は一転、賞賛に変わった。

 WBCのブラジル代表コーチとして、1次ラウンドの地、福岡県に乗り込むのはそれから3年後のことだ。

原点は中学教員

 指導者を志して日体大を卒業後、保健体育の非常勤教員として初赴任した市立中学校。「競技としてのスポーツしか知らない自分には、全くない考え方だった」。走り高跳びの授業で「あの子の次は嫌」と級友から避けられている女子生徒がいた。後で当事者に「自分が言われたらどうか」と諭したが、先輩教員の一言にハッとした。「その子の後に黒木が跳べばよかったのに。そうすれば皆の注意がお前に向くから」。視野を広げたい。海外への一歩を踏み切らせたあの言葉は、今も忘れない。

 この春、地元横浜を拠点に新たな指導者の道を歩み出す。「ブラジルが世界で活躍できるように」と同国野球連盟の日本事務局員としても活動を続けていく。

金沢区・磯子区版のローカルニュース最新6

横山剣さんら出演 年に一度の横浜感謝祭「ハマフェスY165」が5月25、26日に

旧柳下邸に五月人形

旧柳下邸に五月人形

6日まで、入館無料

5月2日

称名寺で薪能

称名寺で薪能

5月3日、当日券販売も

5月2日

OTABISHO(おたびしょ)開業

みなとみらい

OTABISHO(おたびしょ)開業

能と狂言の紹介施設

5月2日

神奈川の食の魅力PR

神奈川の食の魅力PR

10月に展示会、出展者募集

5月2日

横浜・大佛次郎記念館で仏画家 ポール・ルヌアール没後100年企画展

本まぐろ直売所

4/26~5/6は休まず営業、毎月第2・4土日は特売日!

https://www.yokosuka-honmaguro.com/

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月2日0:00更新

  • 4月25日0:00更新

  • 4月18日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

金沢区・磯子区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月3日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook