関東学院大学の学生らを中心に、活動を続ける「サンタ・プロジェクト」が、今年も行われた。11月27日から12月1日まで被災地などを巡ったサンタクロース一行は12月3日、関東学院六浦こども園を訪問。「東日本大震災の記憶を風化させない」という思いを次世代に伝えた。
「クリスマス前にフィンランドから本物のサンタさんが来てくれたのには、理由があるんです」――根津美英子園長はイベント当日、園児に語りかけた。被災地には、地震や津波、原発事故で未だ悲しみの中にいる人々がいて、サンタは被災地支援という「大事なお仕事」をしてきたことを説明。「東北へ行くことはできないけれど、祈ることはできる」と結んだ。
園児は「本物」のサンタに驚きつつも、大喜び。「なんでサンタさんて名前なの?」「クリスマス以外は何をしているの?」など積極的な質問が飛び出した。また、サンタと一緒に来日したフィンランド民族合唱団の「ベルカント」が美しい歌声を披露した。根津園長は「今は全てを理解できなくても、この出会いはきっと心に残るはず。将来の『隣人を愛する心』の種になれば」と話していた。
「隣にいる人を大切に」
3回目となる同プロジェクトは11月27日、復興庁で結団式を実施。その後、学生ボランティアとフィンランドのサンタらは、被災地へと向かった。
「今年は交流を密にしたかった」と話すのは団長の望月絢子さん(4年)。福島県相馬市ではサンタと共に仮設住宅を一軒一軒訪ね、子どもたちにプレゼントを渡した。「泣いて喜んでくれたおばあちゃんもいた。プロジェクトをやってよかったと心から思った」と振り返る。
また30日からは被災地の高校生4人が合流し、新潟中越地震で被害を受けた山古志村へ。学生と高校生は一般家庭に民泊し交流を深めた。副団長の日下由貴さん(4年)は「同じ地震の被災者として、痛みを分かち合えるのではと企画した」と話す。高校生の一人は「短い間だったけど、本音で話せた。今、隣にいる人を大切にしなければという思いを強くした」と涙ながらに感想を話したという。
「支援される側が、今度は支援する側になって永続的な支援の輪が広がっていけば」と日下さんが言えば、「私たちは卒業してしまうが、ずっと続いて欲しい活動。いえ、続けていかなくては」と言葉を強める望月さん。サンタが伝えた「支援の心」は子どもたちの中で育ち、継続的な支援を支えていくことだろう。
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