市はこのほど、2014年度末に中央卸売市場としての機能を廃止する南部市場(鳥浜町)の跡地を、本場(神奈川区)を補完する「物流エリア」と飲食が中心の「賑わいエリア」に分ける方針を明らかにした。
この方針は3月4日、関係者が参加する「南部市場土地利用検討会」で合意がなされた。
市経済局によると、16万8千平方メートルある南部市場の敷地のうち、青果棟や水産棟、花き棟などを含む東側12万8千平方メートルを「物流エリア」として確保。このエリアでは従来通り、水産や青果のカット、パック詰めなど、スペースが十分に確保できない本場を補完する。また配送、流通の場としての機能を残し、利用者が近隣の他市場へと流れていくのを防ぎたいとしている。
しかし具体的なプランは未定。水産管理棟の業者は「来年の4月からは市場という看板は外れる。何ができて何ができないかが見えない」と不安を口にする。
「食」テーマのエリア
今回新しく盛り込まれた「賑わいエリア」は、正門右手の管理棟と駐車場、食品関連棟を含む西側4万平方メートルの区域を想定。飲食店や物販など「食」を中心とした空間にしていくという。市経済局担当者は「日本中の新鮮な食品が集まる『市場の利点』を生かせるような場所を目指す」と説明する。
こちらも現在建っている建物を利用するかどうかも含め詳細は白紙。「豊洲新市場の温浴施設のような、目玉となる施設の設置も必要だと考えるが、すべて検討の上決定していく」と同局担当者は話す。
「賑わいエリア」に含まれることになった食品管理棟の業者からなる「南部市場共栄会」もまた、「民間企業の中で太刀打ちできる集客力が必要」としている。小売り業者が連なる食品管理棟は、市場へ魚や野菜を買いに来た客に向けて生まれた経緯がある。同会の柴岡義幸専務理事は「ここに来れば何でもそろうというテーマを残しつつも、来た人が元気になるような場所を考えたい」と話している。
「物流エリア」は今後も、都市計画法上の「市場」として扱われる一方、「賑わいエリア」は、市場としての機能から外れるため、都市計画の見直しが必要となる。市は、市場統合後の2015年度中に都市計画を見直し、16年度に着手していきたい考えだ。
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