学校図書館の充実を目的に、横浜市が昨年10月から配置を始めた「学校司書」。1年が経過し、児童の図書貸し出し冊数は増加傾向にある。大道小学校(富岡正雄校長)でも、導入前の昨年度に比べ約3倍増加した。
学校司書は、図書館の環境整備や本を利用する授業の支援などを行う。司書教諭は担任などを兼任することが多く、図書館業務の時間を確保しにくい現状があるため、補佐の目的もある。
4月までに市内公立小・中学校、特別支援学校500校中、250校に配置。市教育委員会によると昨年度の配置校125校のうち、データが正確な56校で、児童の図書貸し出しが約1・5倍に増えたという。今後は2016年度までに、1校1人の学校司書を全校へ配置する予定だ。
地域との連携も
金沢区内で現在、学校司書を導入している小中学校は15校。大道小では4月から9月までの図書貸し出し冊数が昨年は518冊だったのに対し、今年は1657冊と約3・19倍に増加した。
「図書館に人がいることが大事」と話すのは同校学校司書の椿則子さん。担任を持つ司書教諭は図書館に居られない時もあったという。椿さんが着任後、司書教諭らと取りかかったのが図書の整理だ。作家名順に並び替え、児童の手の届かない本棚の最上段は副本を置くように。また、返却期限を忘れないよう返却日を記入したしおりの作成や、図書予約システムを作るなど工夫。図書館に行かない原因を解決し、また行きたくなる環境を整えた。「返却や整理だけでも時間がかかる。ひとりでは回らなかった業務」と話す。
富岡校長は「教室と図書館、授業と図書館をつなぐ役割。ありがたい」と話す。教科で必要な本を用意し、授業内容や宿題と関連した本の紹介をすることも。読み聞かせや調べ学習のアドバイスなどで教諭と共に授業を支える。「司書教諭や学校の協力がなければできない」と椿さんは話す。11月には地区センターやコミュニティハウスと連携し、学校で本が借りられるようになる予定。大道中学校の図書を利用できるよう、準備も進めている。「中学入学までに必要なことを準備できるようになるのでは」と椿さんは期待を寄せる。
「先生と協力し、授業が進めやすくなるよういち早く良い本を紹介できれば」と椿さん。市の行う研修会のほか、区内司書15人で自主的に勉強会を開き情報共有を続けていく。「困ったら図書館に行くという環境を作りたい」と話した。
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