シーサイドライン金沢八景駅と市大医学部駅にこのほど、自然な健康行動の誘発を目的とした「上りたくなる階段」が期間限定で設置された。2月24日には、金沢区内の健康づくり推進団体を対象に体験ツアーを実施。実用化に向け課題を検証していく予定だ。
エスカレーターを利用しがちな駅で、階段に「上りたくなるような」デザインを施し日頃の運動不足を解消する――。金沢八景駅に、一段上るごとに32の海の動物が浮かび上がるように見える階段、市大医学部駅に「毎日無料フィットネス」という言葉が階段へ導く誘導表示が登場した。階段は3月19日までの期間限定。センサーによる調査を実施し、利用人数や、感性に訴える前者と理性に訴える後者ではどちらが有効かなどの効果を検証する。
この階段を企画したのは横浜市立大学と広告代理店の電通が進める「広告医学プロジェクト」。昨年度に「市民の健康増進に関する包括協定」を結んだ横浜市の協力で実現した。広告医学は、楽しくなるようなデザインや言葉など広告の手法を活用することで、一般生活者のライフスタイルを変え医療問題の解決を目指すもの。同プロジェクトリーダーで横市大の武部貴則准教授が初めて提唱した概念だ。「建物や道、階段など様々な周辺環境が対象になる」と武部准教授は話す。
地域の意見参考に
体験ツアーには区内在住の39人が参加。それぞれの階段を上り終えると意見交換の場が設けられ、参加者からは「上を見ながら階段を上るのは怖い」、「上りきったら特典があるような目標があれば上りたくなる」、「音や光が出れば楽しい」などの声が挙がった。武部准教授は「公共の階段にはデザインの規制があるが、効果が証明できれば変えていけるかもしれない」と期待を寄せる。「地元を知る人の意見は貴重。何を楽しみに歩くのか、喜びのツボは何かを設計のベースに、健康増進につなげられれば」と話していた。
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