南部市場(鳥浜町)の中央卸売市場としての機能が4月1日、廃止された。今後は花き部を除きせりなどが行われず、中央卸売市場本場を補完する場所となる。物流拠点として強化される一方、場内業者にとっては「客離れ」への不安がぬぐえない状況だ。
これまで南部市場で行われてきた取引の多くは、今後、本場で行われるようになる。これに伴い南部市場跡地は物流の拠点となり、本場で取引された物品の保管や加工、包装、受け渡しなどが行われる。
また今後、低温化で物品を加工できる民間施設が新設される予定だ。産地から来た物品を、より新鮮な状態で加工し、消費者に届けることができる。
一方、統合に伴い危惧されるのは「客離れ」だと市経済局の担当者は話す。「廃止のイメージが先行している。物を買えなくなるわけではないことをPRしなければならない」という。
また「統合に伴い、業者にとっては売買の自由度が増す」と説明。「卸売市場法」の制約がなくなるため、一般消費者に対しても物品を販売することが可能になる。「場合によっては、卸値で販売することもできる。取引が減っている中、南部市場の業者は小売の方法を学んでいく必要がある」と話す。
だが場内の業者からは不安の声もある。水産物部のある企業経営者は「長年仲卸業をしてきた業者が小売に転換するのは至難の業」と語る。「宣伝するにも、インターネットの使い方もわからない経営者も多い。しかし生き残るため、人を呼ぶことは不可欠。方法を早急に考えたい」
「賑わい」公募は今秋
今後、市場内には新たに「賑わいエリア」が新設される。
市は今年1月、複数の業者とこのエリアの活用方法を話し合う「サウンディング」を行った。ホームセンターのほかショッピングセンター、温浴施設などの案が挙がっていたという。今秋にも、このエリアを運営する業者の公募を始める予定だ。
賑わいエリアに含まれる食品関連棟の業者は、施設にテナントとして加わるかどうかの選択が迫られる。南部市場共栄会の和田實会長は「関連棟業者もできるだけ早く方向性を決めなければならない。市場の利点を生かした方法を入札する業者と考えたい」と話した。
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