愛くるしい表情と仕草で来園者を虜にした、金沢動物園の人気者・ウォンバットのヒロキ(雄)が8月24日午前0時頃、この世を去った。死んだ年齢の推定29歳は、人間でいうと約100歳。国内最高齢だった。
豪州の国立公園で保護され、メルボルン動物園を経て1987年、同園にやって来たヒロキ。96年までは雌のキヨコと一緒に飼育されていたが繁殖に至らず、それ以降は”1人暮らし”が長かった。体調不良が確認されたのは20日。療養を続けていたが4日後、肝不全のため死んだ。
愛されたご長寿
「ぼてーっとした風貌や、ぼあーっと仰向けで寝るヒロキ。癒されたという声をたくさんもらった」と原久美子園長は話す。来園者を自然と笑顔にし人気を博した。注目されるイベントや話題に上ることはほぼなかったが、ヒロキ目当ての来園者も多く、独自のHPを立ち上げる人もいるなど根強いファンに支持されてきた。
30歳の誕生日を目前にした死に「誕生日会をしようと思っていたところ」と声を落とす原園長。ウォンバット展示場付近に設けた献花台で花を手向け、お別れを言いにくる来園者は後を絶たない。SNSでも話題になり、「ありがとう」「会いに行こうと思っていたのに残念」など多くの声が寄せられた。「ありがとうの言葉を多くもらえたのが印象的。じーんとしました」
推定される29歳10カ月は、これまで最長寿とされていた29歳8カ月を上回る。「あくまで推定だがおそらく最長寿記録」。生息地の豪州では森林破壊などにより野生の個体数が減少し、保全の対象となっているウォンバット。同園は今後も、豪州産動物を新規導入し、保全に努めていく。「皆に愛され応援されたことを職員一同感謝している。ヒロキがいたことを忘れないでほしい」と原園長。献花台は9月6日(日)まで設置する。
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