横浜市泥亀地域ケアプラザ(木川照美所長)は5月12、13日の2日間、金沢動物園(原久美子園長)で初めて認知症患者の機能訓練を行った。福祉施設と連携し、訓練の受け入れをするのは同園としても初めて。今後も利用に対応していきたい考えだ。
身体を動かして生活機能の維持や向上を図る機能訓練。今回は同所に通う認知症患者述べ11人が参加した。時おり車いすを利用しながら、園内を歩く参加者。キリンなどの動物展示場でガイドの説明を受けると、声を出して笑ったり質問したりする姿が見られた。
「外出することで気分転換になり、いつも以上の力が出るのではと期待した」と木川所長は話す。機能訓練はこれまで所内で行われていたが、前園長で横浜市福祉サービス協会の内田孝司さんからの提案を受け、今年2月から計画を検討。「近くを散歩することはあったが、動物園まで来られるなんて」と木川所長は話す。
利用拡大に期待
身体の機能向上を目的とした今回の訓練で、思いがけない心理的な効果も見られた。「『昔お父さんと車で動物園にいったね』『子どもを連れてきた』など元気だった頃を思い出す場面がみられた」。表情が豊かになり、会話も弾んだという。同所でも取り入れているという、懐かしい写真を見たり、思い出を語ったりする心理療法「回想法」。動物園に再訪したことで記憶が呼び戻され、図らずとも回想法が実践されたと考えられる。「動物園での訓練は珍しい。所長会で情報を共有したい」と木川所長。同園では無理がないよう、細かい説明ではなく、参加者が目で追っている動物の様子を補足するなど分かりやすいガイドを行うよう配慮した。原園長は「今後も受け入れに対応していく」と話した。
金沢区・磯子区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>