アーティストネットワーク+コンパスが主催する「会社まるごとギャラリー」(会場は山陽印刷╱福浦ほか)で展示されている動くオブジェのパフォーマンスが10月3日、行われた。作者の杉山孝貴さん(34)が、産業団地内の企業から提供された廃材を作品に積み、中区黄金町まで練り歩いた。
作品の丸みを帯びたフォルムは、さなぎをイメージしたという。昆虫はさなぎになると、さなぎの中で体を溶かしてぐちゃぐちゃにしてから、蝶などの成体に生まれ変わることから、作品を「Makeover in a head」(頭の中で大変身)と命名。「様々な企業から廃材を受け取り、作家の頭の中で再構築して作品を生み出す」という展示会のコンセプトになぞらえて製作した。
素材となったのは、福浦や幸浦にある企業から提供された廃材が主。タイヤは協和タイヤ商会、フレームに波打つ針金は鶴見金網、円盤状の飾りは山装から提供された。山装の担当者は「提供したものが一般人には思い浮かばない作品になるので、毎年楽しみにしている」と期待をよせる。
需要と供給が一致
杉山さんは自身で作品を創作する傍ら、NPO黄金町エリアマネジメントセンターの職員として、黄金町で地域やアーティストと一緒に活動している。今回、会社まるごとギャラリーに参加したことで、「廃材を活用して欲しい企業側と、廃材に創造力が刺激されるアーティストとの需要と供給が一致するのでは」と発想。自らの作品を使って、廃材を運ぶパフォーマンスを思いついた。
当日は展示していた山陽印刷を午前10時過ぎにスタート。山装、坪倉興業、鶴見金網をまわり、不織布や金属のメッシュ材、カーラジオなどを提供された。
黄金町に到着したのは、午後4時40分ごろ。「大きな作品だったので、通れる道を選ぶのが大変だったが、歩いてみると意外に近く感じた」と振り返る杉山さん。「子どもたちの反応は特に良く、形から得た自分のイメージを伝えてくれた」という。廃材を見たアーティストの反応は「とても興味がありそうだった」とも。何人かに素材を託し、今年度中には黄金町で展示したい考えだ。
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