金沢消防署(小出健署長)はこのほど、救急時の対応方法をまとめたDVD「救急時の119番通報から救急隊への引継ぎまで 高齢者福祉施設編」を制作した。入所者に万が一の事態が起きた場合、施設関係者が円滑な通報や引継ぎができるよう動画で紹介している。
きっかけは昨年6月に行われた金沢区三師会の意見交換会。救急要請について「スムーズな119番のポイントがわからない」「救急隊員に威圧感があった」という本音が聞かれた。「必要事項を聞くために質問攻めにしてしまうことがあるが、怖い印象があったとは」と話すのは、同署員で救命救急士でもある長嶌惣一郎さん。「ならば」と、救急時の対応を分かりやすく伝える動画を思い立った。
長嶌さんを中心に9月から制作を開始。同会が監修、横浜市医療局と連携するなど各機関が関わった。冒頭では「横浜能見台ホーム」に協力を得て、理想的な通報の仕方を収録している=写真。また、横浜市消防司令センターが実際に登場し、「悪い」通報の例に応じる様子も。住所や傷病者の様態などを把握し、可能であれば救急車到着後の案内係を置くといったアドバイスもまとめられている。最後に、動画では初となる「横浜市救急相談センター(#7119)」の概要や、対応する様子も収め、約10分の動画にまとめた。
現在、高齢者福祉施設を中心に区内30カ所ほどに配布。救急到着までに記入しておけば円滑な引継ぎができるよう、「情報提供用紙」も作成し合わせて配っている。名前やかかりつけ医などの記入カ所のほか、「普段の意思疎通や認知症の程度、施設の名前の欄は医師会によるアドバイス。消防だけでは気づかなかったことも多い」と長嶌さん。今後は金沢区とも連携し、より広く周知していく予定だ。「これがスタート。各所で研修会などを開いて問題提起してもらいたい。例えば、住所がすぐ分かるよう電話近くに明記しておくなど一歩進んだ対応につながれば」と期待する。「次は母親対象や、火災時の対応編など継続事業にしたい」と話した。
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