自動車運転免許証を自主返納する人が増えている。金沢・磯子両警察署によると、今年8月末現在、前年を上回るペースで推移。返納者のほとんどが高齢者で「運転に少しでも不安がある方は返納を考えてほしい」と担当者は話している。
金沢署管内で運転免許証を自主返納した人は2015年が521人、16年が822人で、17年は694件(8月末現在)。磯子署管内も同様に、15年が415件、16年が585件。17年は463件(8月末現在)。両区ともにこのままのペースで増え続けると、16年から約4割増加する。
特に、昨年10月以降急増しているという。港南区で発生した80代男性が運転する軽トラックが集団登校中の小学生の列に突っ込み児童が死亡する事故などの報道を受け、ドライバーの運転に対する危機意識が高まったものとみられる。
免許証の自主返納制度は加齢で身体機能や認知機能の低下により、運転不安を感じた場合などに自主的に免許証の取り消し申請ができるもので1998年から制度化された。
両警察署によると、返納理由は「運転の必要がなくなった」「家族などから勧められた」「運転に怖さを感じる機会が増えた」など。
磯子署の松永安則副署長は「長い人では50年以上免許を持たれており、運転が生活の一部となっている人もいるため、返納は大きな決断だと思う。ただ、事故を起こしてからでは遅く、身体機能の低下が気になる人や運転に不安がある人は返納を考えるきっかけにしてほしい」と訴える。
「数年前から考えていた」
運転はしないものの身分証として所持している人向けには、運転経歴証明書を発行している。両警察署で自主返納した人の約9割が申請している。磯子区森在住の鎌田隆之さん(74)もその一人。今年8月の免許証更新のタイミングで自主返納し経歴証明書を受け取った。返納は数年前から考えていたといい「報道による高齢者の運転死亡事故などを見ると、怖くなった。事故を起こしてからでは相手や家族に迷惑がかかると考えた。これまでの運転ではあまりスピードを出さずに気を付けていたが、それでも1、2回はハッとしたケースがあった。今は返納してよかったと思っている」と話した。
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