学生を対象とした建築コンテスト「建築新人戦2019」に関東学院大学建築・環境学部3年生の長橋佳穂(21)さんが挑んだ。全国から552作品の応募があり、長橋さんの作品は最優秀賞を受賞した。
長橋さんは昨年も同コンテストに挑んだが1次審査通過も叶わなかった。リベンジとなる今年は、上位8人がパネル等を使い審査員にプレゼンテーションを行う最終公開審査まで辿りつき、最優秀賞を手にした。長橋さんは「大学内で評価を受けることはあったが、学外で通用するか不安だった。自分の設計や考えが高く評価されることができ、自信がついた」と受賞の喜びを話す。これから、長橋さんは11月1日から3日までアジア15か国から32人が集まる「アジア建築新人戦」に挑む。
今回の作品「こころのすみか」は建築・環境学部の粕谷淳司准教授(47)の「あり続ける住宅」を課題に制作された。粕谷准教授は海外の住宅と比べ、寿命が短いとされる日本の住宅をどう持続可能な住宅にするか、中区黄金町に場所を設定した上で学生らに問いかけた。長橋さんは実際に黄金町を訪れて「人の気配があまりなく殺風景」と感じた。これに日頃から感じる「現代社会は効率化や生産性ばかり求められて人間味がない」との思いを加え、今回の作品に取り組んだ。
躯体と呼ばれる建築物の核となる部分はコンクリートに設定し、それ以外の箇所はその人の生活形式に合わせて自在に増減築できるようにした。「現代社会で排除されがちな自分の人間らしさをさらけ出せ、かつ住む人それぞれに合った家にできるようにした」と話す。
粕谷准教授は「建築を一生懸命に考えているのが長橋さんらしさ。それがブレずによく出ている。審査員にも伝わったのではないか」と評価する。
長橋さんは今回いかに自分の心に素直になるかを意識しながら制作したという。「憧れるのはためらわずに自分を表現できる人。自分もそうなれたら」と話す。
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