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「屋根葺材の構造計算を確認して」 構造設計一級建築士・矢野武さんに聞く
建築物の安全基準と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは「耐震基準」ではないだろうか。「建築基準法では、地震(耐震)のほかに風(耐風)についても安全基準を設けています」。こう話すのは、矢野建築設計事務所・矢野武構造設計一級建築士。これから迎える台風シーズンを前に、耐風基準などについて話を聞いた。
面の大きさで決まる
地震により建物に加わる力は重量により決まるため、重たい建物ほど支える力が多く必要になる。一方、風に対しては、面の大きさで決まる。住宅は、日当たりや通風を考慮し、南面が大きい建物になる傾向がある。台風などの暴風は南風のため、南面に大きな力が加わり、その支えが重要だ。一般的な木造住宅では、地震と風に対して必要な耐力壁が備わっているか壁量計算等で確かめており、暴風で建物が倒壊することは稀だという。「心配であれば壁量計算書等でどれくらい余裕があるのか確認してほしい」と矢野さんは呼びかける。
なぜ屋根が飛ぶ?
昨年、金沢区や磯子区に甚大な被害をもたらした大型台風15・19号では、屋根が飛ばされる被害が多く確認された。矢野さんによると、建築基準法では、屋根葺材(瓦・ストーレ・金属板など)に対する安全基準はあるものの、一般的な木造住宅に対しては、屋根葺材の固定方法を示すのみで風の力に対しての構造計算を義務付けていない。そのため、暴風が直撃した際、建物は倒壊しなかったが、屋根が飛ばされるというケースが多かったと分析する。
矢野さんは「これから家を建てる人やリフォームを考えている人は、屋根葺材の耐風性能の確認や構造計算を行ってほしい。長年住んでいる住宅は、まずは専門家に相談してほしい」と話した。
■取材協力/(株)矢野建築設計事務所 磯子区西町14の11神奈川県総合薬事保健センター3階 【電話】045・751・2889
株式会社矢野建築設計事務所
磯子区西町14‐11県総合薬事保健センター3階
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