色の見え方の違いから、情報を正しく受け取ることができない「色弱者」。日本人では男性の20人に一人、女性の500人に一人の割合で存在するといわれている。金沢区堀口在住の杉山隆幸さん(58)もそうした一人。杉山さんは「色の見え方には個人差があり、人によって見分けづらい色があることを知ってほしい」と話す。
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杉山さんは小学生の頃に受けた色覚検査で先天的に多くの人と色の見え方が異なると判明。仕事や生活に大きな問題はないものの、赤や緑などの色が見分けにくく、電源によって色が変わるテレビのランプの存在などに気づかなかったという。
色弱の中でも色の見え方は個人差があるが、その影響でパイロットなど一部の職業では就業できない場合もある。そうした社会状況や色弱者の存在はあまり認識されておらず、「私自身の経験からも、色弱者の存在が知られていない感じる」と杉山さん。約10年前からはNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の会員となり、色弱者の状況や多くの人が見分けやすい配色であるカラーユニバーサルデザインについて情報を伝えてきた。
自覚がない場合も
今年1月には、消費生活に関する論文賞「ACAP消費者問題に関する『わたしの提言』」に出品した論文が、最優秀賞の「内閣府特命担当大臣賞」を受賞。色弱者の色の感じ方や日常で困る場面、解決方法まで提示した内容が評価された。
色の見え方の違いからこれまでに体験した出来事を、自作の4コマ漫画にもまとめている杉山さん。「そもそも色分けされていることを判別できず、本人でも色弱と気づいていない人も多い。まずは色弱者の存在を少しでも多くの人に知ってもらえれば」と話した。
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