汚泥焼却灰埋め立て より徹底した情報の提供を デスク・レポート
話題の簡易ブログ「ツイッター」には、ハッシュタグという機能がある。つぶやきにキーワードをつけることで、関心のある話題を探しやすくするものだが、「横浜市が放射性物質の検出された下水汚泥焼却灰を、南本牧廃棄物最終処分場に埋め立てる」というニュースがツイッター上を駆け巡った時につけられたタグは「#hamaosen」つまり「浜汚染」だった。市民がこのニュースをどのようにとらえたか、その雰囲気を端的に表したものと言える。
横浜市が(一旦は)埋め立てを決めた焼却灰からは、6千ベクレル超の放射性物質が検出され、現在は金沢区と鶴見区の施設に保管された状態となっている。
市は専門家による安全評価の結果、国が定めた処理の目安を大幅に下回っていることを理由に埋め立て処分を「一方的に」発表した。
今回、市民や港湾・漁業関係者が埋め立てに反発した理由は、この「一方的」な市の姿勢にある。福島の事故後、多くの市民は疑心暗鬼に陥っている。国や専門家は災害の大きさや事故の可能性を過小評価することで、結果的に安全神話の形成に寄与してきた。そのため現在でも「事実を全て明かしていないのでは」という意識が根強く残っている。一時期、数万円もする放射能測定機器が飛ぶように売れたのも、こうした心理によるものだ。
埋め立てを決定した横浜市のやり方を見ると、こうした市民感情をどれだけ理解していたかはやはり疑問だ。従来通り専門家の「お墨付き」が得られたとしても、その権威自体に不信が蔓延している今の状況に対する想像力が欠如していたのではないか。
もちろん市民の側も冷静さは必要だ。ある自治会長は「福島から運びこまれた土が横浜市に埋め立てられると聞いたが本当か」と聞かれたと言う。もちろん事実とは異なるが不安はデマを助長しやすい。情報源の見極めが大切だ。
そして市民が判断をするためにも、市には徹底的な情報の提供を求めたい。下水汚泥焼却灰の安全評価が公開されているが、専門家の文書を引用するだけでなく、より噛み砕いた内容にするなどの努力も必要になるだろう。残念ながら市に対する市民の信頼度は高くない。市はまずその事実を受け止めてほしい。
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