クリスマスにちなんだ植物 どんな毒にも効く「ヤドリギ」 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
欧米では、クリスマスの飾りにヒイラギと共にヤドリギもよく利用します。
ヤドリギは、日本では古くから知られている半寄生植物の一つです。葉緑素を持つ植物ですが、エノキ、ケヤキ、クリ等の幹に根を張り、その根を木の内部へ侵入させ、生長に必要な養分を吸収し奪い取って生活しています。そして、冬に真珠のような黄白色の丸い実をつけ、鳥に食べられ、消化されない種子が糞と共に排出され、新たな場所で発芽します。
西洋では、冬になっても枯れず緑を保ち、大地に立たなくてもしっかりと生活しているため、神秘な樹木とされていました。キリスト教以前のドルイド教時代には、新年に僧侶が黄金の鎌でヤドリギのついている枝を切り取る儀式があり、切り取ったヤドリギは、万病に効く薬といわれていました。キリスト教の時代になって、いつしかヒイラギの葉と共に魔除けとして、クリスマスに飾るようになりました。なお欧米で使われているヤドリギは、「セイヨウヤドリギ」で、日本産の母種に当たります。
ヤドリギは、区内の山林や公園、庭木等で見ることができ、特に冬、落葉した木々では目立ちます。また野島公園稲荷神社には、化石化した大きなヤドリギが置かれています。
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