今年3月に82歳で他界した備前焼の陶芸家・木村隆男さんを偲び、「故木村隆男遺作品と巣立つ仲間の作品展」がギャラリー ヨコミゾ(泥亀2の1の10)で開催される。期間は9月7日(金)から11日(火)。木村さんの遺作約20点に加え、生徒35人の渾身の作品も展示される。
これまで木村さんの悠心窯(瀬戸)で学んだ生徒は200人を超える。一時は80人近い生徒がいたことも。神奈川県展ほか美術展に入選した生徒は、18人でのべ59回。独立して窯を持ち、プロとして活躍している人もいるという。
神奈川県下でも数少ない薪を使う悠心窯の「登り窯」に今年6月、最後の火が入った。木村さんが亡くなる当日まで作っていた「ぐい飲み」は、高台のない未完成のまま窯へ。最古参の生徒・須藤義明さん(68)は、「絶対に失敗できないと思っていたから、眠れない日が続いた」と振り返る。
そんな思いで臨んだ窯炊きは皆が口をそろえて「すごくいい」という出来になった。須藤さんは「喜びはひとしおだったよ」と木村さんのぐい飲みを愛おしそうに撫でた。
主を失った窯は、これで閉窯となる。だが木村さんの「土を愛し、人と触れ合い、火に祈る」という精神は、確実に生徒たちに引き継がれていく。
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